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私を買い物に連れ出した真一郎は日用品や着替を一式揃えてくれた。
財布も持ってない私は、彼に甘えることしかできなくて…
『一度家に荷物を取りに帰る』って伝えたんだけど、帰ってこなくなったら嫌だからって却下されてしまった。
「俺、この後バイトなんだけどどーする？」
『どーする…って？』
「一緒に来る？」
『でも、お店に迷惑なんじゃ…
「お客さんが増えて迷惑な店なんてないよ。それに、俺がまだAと一緒に居たいんだけど…ダメ？」
『っ…行ってみようかな』
真一郎に連れてこられたのは雰囲気のあるジャズバーで、カウンター席に座った私は勧められるままにお酒を楽しんだ。
観客の拍手の中、現れた真一郎が弾いたのはジャズ風にアレンジされたノクターン。
昨日のことを思い出し、そらした視線は直ぐに彼に引き戻される。
跳ねるように楽しそうなのに、どこか影のあるミステリアスな空気を纏う真一郎の演奏から目が離せなかった。
演奏が終わると、真一郎は自分もお酒を頼んで私の隣に座った。
『バイト中じゃないの？』
「今日はもう終わりだから、ここからはデートの続き」
『っ…お疲れ様。すごく素敵な演奏だった』
腰を引き寄せられて「惚れ直した？」って耳元で囁く彼がニヤリと笑う。
ズルい…。
私ばっかりどんどん彼に惹かれてる。
惚れ直すもなにも、もうずっと真一郎のことしか考えられない。
そんなこと直接伝えられるはずなくて、私は頷くだけで精一杯だった。
「翼が女性を連れてくるなんて初めてじゃないか？」
カウンターに座っていた男性に話しかけられ、彼から男性へと視線を移す。
翼…？
「大切な人なんで連れてきちゃいました」
「そうか。翼にもそうゆう相手が見つかったんだな」
「オーナーにはちゃんと紹介しようと思って。彼女のAです。A、この人がこの店のオーナー」
『は、初めまして』
「翼に素敵な人が現れてくれて安心したよ。Aさん、彼のことをこれからも頼みますね」
『そんな…私の方が真一郎に甘えてばかりで…』
「A？」
『…本当は翼って名前なの？』
「え、ああ、言ってなかったよね。ここでピアノ弾く時は"伊達翼"って名前使ってるんだ。真一郎が本当の名前だよ」
当たり前だけど、私って真一郎のこと全然知らない。
それはきっと彼も同じで…
勢いで付き合ったけど、真一郎は私が彼女でいいのかな。
本当の私を知っても好きで居てくれる…？
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ポル(プロフ) - すごくおもしろいです！続きを楽しみにしています！ (2020年7月11日 16時) (
レス) id: e5a0f78b99 (このIDを非表示/違反報告)
未亜(プロフ) - ゆーうさん» ゆーうさん、コメントありがとうございます！すごく好き…嬉しいです^ ^！！書き上げられるよう頑張りますね！ (2020年7月1日 22時) (レス) id: 6167177232 (このIDを非表示/違反報告)
未亜(プロフ) - ちーさん» ちーさん、いつもありがとうございます！ (2020年7月1日 22時) (レス) id: 6167177232 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーう(プロフ) - すごく好きなので最後まで応援してます！！ (2020年6月20日 0時) (レス) id: a3dde4f075 (このIDを非表示/違反報告)
ちー - ゆっくりでもいいので頑張ってください！！ (2020年6月19日 6時) (レス) id: ef1b84f95d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未亜 | 作成日時：2020年4月28日 19時
