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Aはまだ見つからない。
あれから10年前の真相を追いながら、彼女を探す日々が続いている。
体も、心も、限界だった。
Aに会いたい…。
会って抱き締めるだけ、疲労なんてすぐに吹っ飛ぶのにな。
瞳ちゃんのお父さんはAのことも一緒に探すと言ってくれたけど、彼女の情報はあまりにも少なすぎて見つかる兆しがなかった。
「ずーっとつけてきてるみたいだけど、君は一体何者？」
何度か宇都宮の後をつけていると、さすがに気づかれたようで、宇都宮の方から声をかけてきた。
母のことを問いただしてみたが、宇都宮は表情1つ変えない。
「そう。君のお母さん、あの火事で亡くなったんだ」
「あの日、俺が見たのはあんただよな？」
「ピアニストか…なるほどね…」
「さっきもしてた癖…あの、靴を拭くアレ。10年前もアンタは同じことをしていた。なんで母を殺した？」
「その日、私は沖縄に居た。社用でね。強風で飛行機が欠航しちゃって、東京に戻る予定がズレたんだ。だから、よーく覚えている」
「嘘だ…」
「記録も残ってる。必要なら取り寄せてもいいよ。無駄足だったね」
「まだ話は済んでない。アンタ、俺の母親知ってたよな？』
「悪いけど、全然覚えていない。何度か行ったことがある店のピアノ弾きくらいじゃ」
車に乗り込もうとした宇都宮はドアに手をかけて、一瞬考えた素振りをした後、俺に向き直った。
「聞きたいのは本当にそれだけ？」
「どういう意味だよ？」
「Aさんのことはもう探してないんですか？」
「どうして、アンタがAを…」
「ああ、そうか…君には言ってなかったんですね」
「言ってなかった？」
「…彼女が言わないと判断したなら、私の口から伝えられることは何もありませんよ。それじゃあ」
「待てよ！Aは今どこに」
「お母さんのことも、Aさんのことも、忘れて暮らした方がいい。彼女が君から離れたことを全て無駄にしないためにもね」
そう言って、宇都宮は車に乗って行ってしまった。
何で宇都宮がAを知っていたんだ？
2人は知り合い…
だとすれば、どうしてAは俺が宇都宮の名前を出した時に何も言わなかったんだよ。
"彼女が君から離れたことを全て無駄にしないために"
アレはどういう意味なんだ？
考えても答えなんて浮かばなくて、今わかるのは10年前の真相に近づいているということ。
このまま宇都宮を問い詰めれば、Aにも会えるのだろうか…。
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ポル(プロフ) - すごくおもしろいです！続きを楽しみにしています！ (2020年7月11日 16時) (
レス) id: e5a0f78b99 (このIDを非表示/違反報告)
未亜(プロフ) - ゆーうさん» ゆーうさん、コメントありがとうございます！すごく好き…嬉しいです^ ^！！書き上げられるよう頑張りますね！ (2020年7月1日 22時) (レス) id: 6167177232 (このIDを非表示/違反報告)
未亜(プロフ) - ちーさん» ちーさん、いつもありがとうございます！ (2020年7月1日 22時) (レス) id: 6167177232 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーう(プロフ) - すごく好きなので最後まで応援してます！！ (2020年6月20日 0時) (レス) id: a3dde4f075 (このIDを非表示/違反報告)
ちー - ゆっくりでもいいので頑張ってください！！ (2020年6月19日 6時) (レス) id: ef1b84f95d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未亜 | 作成日時：2020年4月28日 19時
