17. ページ17
.
散歩中、偶然すれ違った瞳ちゃんのお父さんから瞳ちゃんが帰ってきたこと、真一郎と話したことを聞き、私は帰り道を急いだ。
『ただいまー』
返答がないことに不思議に思いながら部屋に入ると、ソファーに座る真一郎は下を向いて項垂れていた。
普段とは違う彼の雰囲気に心配になって顔を覗き込めば、腕を引かれてソファーに押し倒される。
『し、真一郎…んっ』
今までにない乱暴な口付けで、息をする暇もないくらいに何度も角度を変えて繰り返される。
苦しくなって押し返しても引いてはくれなくて、それどころか余計に深く舌を絡められた。
『はぁっ…』
やっと解放されて息を整える私には目もくれず、真一郎は私の服を脱がせていく。
抵抗の意味を込めて手を振り払えば、両手一纏めに掴まれて、首筋に噛みつかれた。
『痛っ…しんっ…やだぁっ』
私を見下ろす彼の目が冷たくて、初めて感じる恐怖に、涙が頬を伝う。
こんな真一郎知らない…。
冷静さを取り戻した彼は着崩れた私の服を直し、私から離れて背を向けた。
「…ごめん」
『真一郎…』
「今、俺おかしいから先にバイト行って」
明らかにいつもと違う彼は何かに苦しんでいるように見えた。
何があったか聞いたって、きっと答えてくれない…。
真一郎の背中に体を寄せれば、ビクリと彼の体が跳ねた。
「っ… A、ほんと離れて」
『嫌』
「無理矢理抱いて、怖がらせたくない」
『…真一郎なら平気』
「さっきまで怖がってただろ」
『もう大丈夫だから』
「大丈夫なわけ」
『真一郎が好きなの』
「っ…泣いても止めてあげられないからな」
そう言いつつも、私をベッドまで運んでくれる彼に胸がときめいてしまう。
いつもの優しい彼からは想像できない激しいその行為は、私が気絶するまで続いた。
『ん…』
「気づいた…？」
『真一郎…』
「無理させてごめん」
『私が言ったからいいの』
「オーナーにはAは体調不良で休ませるって言ってあるから。今日はゆっくりしてて」
『ありがとう…』
「俺はそろそろ行かないと」
彼の手を掴んで引き留めれば、真一郎は私の顔を覗き込んで優しく髪を撫でた。
「どした？」
『…やっぱりなんでもない』
「あー、もうほんっと可愛い」
先の言葉を躊躇した私に、真一郎はニヤニヤと顔を緩ませる。
「行ってきます」とキスをして出て行く彼に熱くなる顔を両手で覆った。
私が好きないつもの真一郎だ…。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 301人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ポル(プロフ) - すごくおもしろいです！続きを楽しみにしています！ (2020年7月11日 16時) (
レス) id: e5a0f78b99 (このIDを非表示/違反報告)
未亜(プロフ) - ゆーうさん» ゆーうさん、コメントありがとうございます！すごく好き…嬉しいです^ ^！！書き上げられるよう頑張りますね！ (2020年7月1日 22時) (レス) id: 6167177232 (このIDを非表示/違反報告)
未亜(プロフ) - ちーさん» ちーさん、いつもありがとうございます！ (2020年7月1日 22時) (レス) id: 6167177232 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーう(プロフ) - すごく好きなので最後まで応援してます！！ (2020年6月20日 0時) (レス) id: a3dde4f075 (このIDを非表示/違反報告)
ちー - ゆっくりでもいいので頑張ってください！！ (2020年6月19日 6時) (レス) id: ef1b84f95d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：未亜 | 作成日時：2020年4月28日 19時
