VS幼馴染 1回戦 ページ2
「おはよ、A」
改札を出た途端待ち構えていたのは、
そんな彼だが当然のように綺麗な顔をしてる。
切れ長の瞳がクールな印象を与える美人だ。
はて。何故ここにいるのだろう。事前のプロットによると出会うのは入部時だと聞いていた。しかも親しそうに名前を呼ばれている。どいうことだろうか。とりあえずここは相手に合わせておこう。
「夜彦!! おはよう、どうしてここに?」
「幼馴染だからな、転校初日だし一緒に行こうかと思って。本当は家まで迎えに行きたかったんだけど、朝練があったから。ごめんな」
成程幼馴染ね、把握!!!! プロットの意味よ。どうやら思い付きで幼馴染枠が追加されたらしい。
「えぇぇ嬉しい。ありがとう、夜彦は優しいね」
えへへ。と照れと甘えが混じった笑顔を浮かべれば
「あぁ、大切な幼馴染だからな」
思いの他高い火力で打ち返され、目を瞬かせることになる。
愛おしそうに目を細め、これでもかと慈愛を込められた笑みを向けられ不覚にも心臓が跳ねた。中々やるじゃないか。
成程、これは私も少しは頑張らねばいけないようだ。
闘志を胸に私は並んで歩き始めた。
「それで、引越しの片付けは終わったか?」
「うん、粗方片付いてるよ」
「そうか。おばさんから電話があったみたいでな、母さんからお前の力になるよう言われてる。勿論だからという訳では無いけど、助けて欲しい時はすぐ連絡してくれ」
「ありがとう……一人暮らしは初めてだから実は不安だったの。夜彦やおばさんがそう言ってくれるなら、安心するよ。何かあったらその時はよろしくね」
そう私の両親は海外を飛び回る仕事をしているらしい、高校生で一人暮らしとは中々にハードだ。
よし。
「ねぇ、夜彦。そのね、さ、寂しくなった……とかでも連絡してもいい?」
先ほど心臓に悪い事をされたからね。ちょっとした意趣返しだ。
恥じらうように夜彦を伺い見る。自然な上目遣いになるから、身長差って大事……30cmはあり過ぎな気もするが。
「あぁ、勿論だ。可能な限り10分以内に駆けつける。だから、我慢しないでくれ」
だからその愛おしいとばかりに目を細めるのやめろ。何故デレない。
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ひよこまめ(プロフ) - 菫青さん» アドバイスもありがとうございます。字数パンパンにいつもなってしまうので、つい改行を減らしてしまいがちです。ご指摘を頂いたので少々弄って見ました。また何かお気付きになりましたらご指摘くださいね。ありがとうございました! (2019年10月6日 22時) (レス) id: 5bf6918b1f (このIDを非表示/違反報告)
ひよこまめ(プロフ) - 菫青さん» コメントありがとうございます。賞賛の嵐に身が引き締まる思いです。ただひたすらに照れるとも言います。楽しんでもらえて嬉しいです。「面白い」と感想を頂けたので目標が叶いましたありがとうございます。折角楽しんで頂けたのでもう少し続けてみようかと思います。 (2019年10月6日 22時) (レス) id: 5bf6918b1f (このIDを非表示/違反報告)
ひよこまめ(プロフ) - ゆうゆさん» コメントありがとうございます。楽しんでもらえて冥利に尽きます。ネタだけのつもりでしたがもう少し続けてみようかと思います。ありがとうございました。 (2019年10月6日 21時) (レス) id: 5bf6918b1f (このIDを非表示/違反報告)
菫青(プロフ) - 作者様は見切り発車とのことで詰まることもあるでしょうが、前述した通りとても面白い内容ですので更新、頑張ってください!長文失礼しました (2019年10月6日 21時) (レス) id: 62f559e9d8 (このIDを非表示/違反報告)
菫青(プロフ) - 幅広い表現力と文章力が表面化した文章、流星のように突き抜けた性格、素晴らしいほどに皮肉った設定がすっと入って心をがっちり掴まれてしまいました。しかし読んでいて一つ思ったのですが、一部の文章がやや読みにくいので少々改行をしてみてはどうでしょうか? (2019年10月6日 21時) (レス) id: 62f559e9d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひよこまめ | 作成日時:2019年10月6日 10時