△ 仰げば(推しが)尊し ページ6
意識がある。また明晰夢か。
最推し様の死を悼みながら枕を濡らして眠りに着いた記憶があるので、恐らくは夢の中だ。
なんというか、殻の中にいるような不思議な空間。赤い半透明の壁の向こうは室内……いや、これは廊下?
しばらく壁を叩いてみたり観察してみる……これは通り抜けられるのかな……?
「あった!!」
「良かったなゴン。だが、これからはちゃんと確認するんだ。いいな」
「うん!!」
その、快晴のように澄んだ声。落ち着いた耳に心地いい美声。間違いなく私の愛しい推しのもの。ってぅわっ!!?
ぐわんと大きな衝撃を受けた。浮かび上がった部屋に目を回しそうになる。よく分からないが何やら揺れる視界に酔いそうになり、脱出したい一心で体当たりを試みる。
その瞬間、壁は私を受け入れるかのように吸い寄せ、私の身体はいとも簡単に外界へと飛び出した。
「わっびっくりした」
ぺちっと音がして柔い何かに体当たりをしたことは把握した。視界を確認すると目の前には愛らしい天使のご尊顔が大きく映った。
はわっ……尊い。
「どうしたゴン……なんだその光体は。ふむ。エネルギーを感じるな、
「わかんない。急に飛んできて……どこから来たんだろう」
私の無意識が死ぬほど優秀……ありがとう。ありがとう。今なら世界の全てに寛容になれる気がする。
確かに私はどこから出てきたのだろう。辺りを見回すがそれらしいものは見当たらない。あっ成程。彼の釣竿の赤い浮標。あの球体の中に居たのか。そう言えば前回の明晰夢で最後あの釣竿に当たった記憶がある。
ということは、ここは前回の続き?? いやそんな都合のいいこと……我ながら何から何まで優秀な無意識だな。
「ねぇ、君は? さっきぶつかったけれど痛くなかった」
はっ話しかけられた!! あわわわっくぁせふぁっつぁ……無理
『へ、平気。わっワタシの方こそ、ごめんなさい』
興奮のあまり上手く舌が回らない。恥ずかしい、消えたい。……あ。そう言えば、人間には通じなかったんだった。私鳥としか喋れなかったじゃない。
「そっか!! 良かった。俺も平気だから、大丈夫!!｣
あっ天使〜〜!! 笑顔が眩しい、神々しい。にぱっと穢れを知らぬ太陽のような笑顔に胸を撃ち抜かれた気分になる。
そうだ、この天使は鳥言語分かるんだもんね〜。忘れてた。
「意思疎通は出来そうだな。興味深い。お前は何者なんだ?」
『ひぇっ、顔がいい』
「……ありがとう」
はわっ。もしや聞こえてる?
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ひよこまめ(プロフ) - 初めまして。閲覧、コメントありがとうございます。楽しんで貰えたようで冥利につきます。反映不備のご指摘ありがとうございます。ただいま修正して参りました。今後の展開を楽しみにゆるりとお待ちくださいませ。 (2019年7月13日 0時) (
レス) id: 845d9be9cf (このIDを非表示/違反報告)
林 香織(プロフ) - ひよこまめさん» 初めまして！面白くて一気に読ませていただきました！これからヒソカへの暗殺、個人的には蜘蛛とどうなるのか気になります(笑)更新作者さまのペースで頑張ってください！1つ相談ですけど1番最新話が夢主の名前反映されてないので良けれは変更お願いしますm(_ _)m (2019年7月12日 7時) (レス) id: 3baa06326a (このIDを非表示/違反報告)
ひよこまめ(プロフ) - いらとやさん» コメント、応援をありがとうございます。大好きだと言って頂けて光栄の極みです。ぼちぼちのんびり更新していきますね (2019年7月2日 5時) (レス) id: 845d9be9cf (このIDを非表示/違反報告)
いらとや - 面白い！もっと伸びるべき神作品だ！この小説大好きです！応援してます！！ (2019年6月19日 16時) (レス) id: 9aad1e7bf8 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこまめ(プロフ) - ププさん» ありがとうございます。推しが一緒とは幸いです(*¨*) あまり早い更新はできませんが、楽しんで貰えるよう頑張ります (2019年6月11日 13時) (レス) id: 845d9be9cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこまめ | 作成日時：2019年5月15日 1時
