君らはもう少し私の心臓に優しくして欲しい (ページ4)

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糖度Lv. 2 荷物 (REBOON) ページ4

頼まれたはいいけれどこの巫山戯た(ふざけた)量のダンボール1人で持っていくのキツすぎる。まぁ、了承したからにはやるけれどね。

グラグラとダンボールを揺らし一歩一歩慎重に歩く。前は見えないが、人の気配は分かるしぶつかることもないでしょう。何度も歩いた廊下だし道も大丈夫。うん、できる。

そう1人納得して歩みを進めるていると、不意に足を捻り身体が後方へと傾いた。迫りくる痛みを覚悟して目を瞑った。

case1:山本武

「おっと……大丈夫か?」

トスっと、しっかりとした胸板に支えられ転倒を免れた。肩を抱く手と反対の手でダンボール箱を抑えてくれたおかげでこちらも共に無事だった。

「ありがとう、助かったよ」

そして危機が1つ過ぎ去り、私の脳が状況整理を始めてしまった。

よく考えなくてもこの状態はアレなのでは。
目の前にイケメンの顔がある。その上、後ろから支えられすごい密着してる。＝やばたん(語彙力)。
その事実を呑み込んだ途端、私の体温を上げていく。

「どういたしまして。お安い御用なのな」

ひぇっ

そんな私のことなどつゆ知らず。彼はニカッと爽やかな眩しい笑顔を私に向けた。秒で心臓握りつぶされた。何この人しんどい。追加攻撃ですねわかります。

「さぁて」

彼が私の体から離れてほっとしたのもつかの間。

「これはどこまで持っていきゃいいんだ?」

今度は腕から重みが消えた。
ひょいっとそんな軽々しい効果音が聞こえそうな勢いで持ち上げて彼は私を見下ろす。ちょっと待て、それそんな軽いものじゃない。って、それより!!

「私が頼まれたんだから、私が持ってく、っ!」

ぽすっと頭を撫でられ

「いいから、頼れって。ついでだついで」

っはー。イケメンかよ。
この際片腕で何故その超絶重いダンボールを持てるのかなんてどうでもいい。山本、女子の皆様が騒ぐのがよくわかった。

……筋トレしようかな。

case2:スクアーロ

「ヴォォォイ!!大丈夫かぁ!!チビ助!!」

耳元で怒号が鳴り響き思わず眉を顰める。今大丈夫じゃなくなりました。
そんなことこのおっかない上司様に言える訳がなく。

「すみません、スクアーロ様。助けて頂きありがとうございます」

ダンボールを山ほど抱えた現状じゃお辞儀を出来ないので、目礼をして目的地へ歩きだす。
視線を感じる。何故。一介のモブは放っておいて大丈夫ですよ!!っと、気まずさから少しでも早くと足を進めた。

続く。