日高くんの使命感はいかほどか？

３.知らない人 ページ4

？「泣きそうだけど、大丈夫？」

すごく優しい声で心配そうに話しかけてくれた人。

・・・この人、みたことある。

よく女の子連れてる人だ。

学校で目立ってるもん。

「だ、大丈夫です。ただいつも一緒に登校する子が今日から週番で、１人で通学するのなれてなくて心細くって・・・。」

言葉にすると余計寂しくなって涙が出てくる。

？「そっかぁ。寂しいんだね。」

そして、頭を撫でられる。

真ちゃんやお兄ちゃんとは違う、知らない人の手。

？「俺が一緒に登校してあげる。」

「え？」

一緒に？

「ほ、ほんとにですか？」

？「うん！」

１人じゃないんだ・・・！

「あ、ありがとうございm・・・あ。」

ふと、真ちゃんの言葉を思い出す。

『杏奈ええか？迷子になっても１人になっても、知らん人について行ったらあかんで？例え同じ学校の人でもや。』

「や、やっぱり１人で行けます！大丈夫です！」

真ちゃんとの約束は守らなくちゃ・・・。

？「いいやん、どうせ同じとこ行くんだし！」

「で、でも・・・。」

？「なにか一緒に登校したらダメな理由があるの？」

正直に言ったらわかってくれるかな？

「知らない人について行っちゃダメって言われてて・・・。」

？「知らない人って笑。つか、俺のこと知らないの！？」

「よく女の子いっぱい連れてる人ってことくらいしか・・・。」

？「そ、そんなぁ。」

雷に打たれたかのようにうなだれる人。

しかし、すぐに顔を上げ、

？「俺、日高光啓。学年は２年！これでもう知らない人じゃないやろ？」

笑顔で自己紹介。

た、確かに・・・

これならいいかも。

「日高、先輩・・・。」

日「君、名前は？」

「浦田杏奈です。」

日「よろしくね、杏奈ちゃん！」

「よろしくお願いします！」

真ちゃん、もうこの人は知らない人じゃないよ！

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