日高くんの使命感はいかほどか？

☆宇野実彩子と末吉秀太 (中学) ページ27

実彩子side

杏奈と本格的に仲良くなったのは中1の6月くらい。

杏奈といると自然と真司郎も隣にいて、3人でいることが増えた。

付き合ってると思っていた真司郎と杏奈の関係は単なる幼馴染で、私の勝手な勘違いだった。

そして月日は経って2年生になった。

真司郎と別のクラスになり、泣きじゃくる杏奈を引っ張って2年2組の教室に行く。

宇野と浦田なので、案の定席は前後。

前から3番目の窓側の席からは、少し顔をあげると隣校舎の屋上がみえる。

屋上に入れるのは漫画の中だけであり、実在しているこの学校は屋上への立ち入りは禁止されている。

そんなある日、暇な授業中に頬杖をついて屋上を見上げると１人の男子。

堂々とフェンスにもたれかかって紙パックのジュースを飲んでいる。

中学はお菓子とかジュースの持ち込み禁止だけど、そんなことよりも遠くをボーッと見つめるその男子に目を奪われていた。

一目惚れってやつ？

それから気になり始めた私は、その人を探すため、休み時間や昼休みはできるだけ校内を歩き回ることにした。

渡り廊下、玄関、裏庭。

そしてある日、とうとう目の前に現れた。

渡り廊下の向かい側から歩いてくる探し求めていた人。

学ランの左胸に刺繍されている苗字をすかさず確認する。

・・・末吉。

刺繍の色が青ってことは3年生か。

もちろん、相手は私の事なんて知りもしないから、私に目を向けることもなく通り過ぎていった。

向こうへ歩いていく後ろ姿を見つめる。

男「秀太！」

突然私の横から大きな声。

その声にこちらを振り返る末吉先輩。

男「今日例のもの持ってきた？」

例のもの？

末「あぁ、持ってきた。」

学ランのポケットから取り出したものはPSP。

目が、目がキラキラと輝いていらっしゃる・・・。

男「よっしゃ！じゃあ今日の昼休み対戦な！」

末「承知した。」

・・・なんなの！

授業中見えるのは物静かそうな大人っぽい表情なのに、今見せてる顔は子どものようなキラキラとした顔！

ギャップ萌え！

３年、末吉秀太。

絶対お近づきになりたい！

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