君がくれたもの

８日高side ページ9

「・・・っ！なんだよこれ。」

日高光啓。

ただいま現実を受け止めきれないでいる。

AAAのメンバー西島からのトークLINEに貼ってあった写真。

・・・千晃と、知らない男が手を繋いで家に入っていこうとする写真。

心の中では今すぐにでも奪い返しに行きたいところだが行動は伴わない。

俺はそこまで自分に自信があるわけでもない。

千晃のことを好きになるやつはたぶん他にもたくさんいると思っていた。

だが現実となるとなかなかきつい。

「なんでだよ・・・」

何も考えたくなくてひたすら歩く。

いつも行き詰まった時に来る川沿いの道、そして橋。

川の流れを聞いて心を落ち着かせる。

・・・今日は無理みたいだ。

勝手にあの歌が口に出る。


「まだ暖かいベッドと裏腹に
体温のない冷え切った胸騒ぎがぼくの心からぶら下がり・・・」

もう、ダメなのかもしれない。

そんな時だった。

君に出会ったのは。

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