君がくれたもの

２８日高side ページ32

最近の俺、変だ。

なぜかゆなと会うことをやめられない。

ただ、自分の中で着実に大きな存在になってきているのがわかる。

これ以上、自分の中で存在を大きくしてどうするつもりなのだろうか。

最初の目的は友情を深めるためだった。

そもそも友情が深まったからといって、それは俺がゆなを変えたことになるのか？

友情が芽生えればその中に思いやりや助け合いが生まれて、必然的に愛も生まれると思ってた。

仮にそうだとすると、俺らの間に愛は生まれた？

俺の役目はもう終わり？

「あーくそっ。」

考えれば考えるほどわからなくなってくる。

付き合わせてるのは俺。

ゆなは俺のわがままに付き合ってくれてるだけ。

でもその中で、彼女は変わった。

色んな表情を見せるようになった。

それが、今の俺にとっては嬉しいこと。

もう少し、一緒にいたい。

今日はゆなに渡すものがある。

きっとこんなものでゆなは喜んではくれないだろう。

でも、歌を聴いてる時の彼女はとても幸せそうな顔をする。

もっとその顔を見たいと思う。

だから、"これ"を渡す。

「さて、行くか。」

車のキーと必要な物だけ持ち、家を出た。

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