猫が二匹 ページ3
『んでさー、そこでアイツがさ、』
「うんうん」
夏油の机に椅子を持っていって、正面に座って話していた。
ガララッ
大きな音をたてて、誰かが帰ってきた。
「おや、悟おか――」
『……ん?』
ピタリと私達の動きが止まる。
…ゆらゆらとなにかが揺れている。五条の後ろらへん。
白くて細長くて…―――そう、猫のしっぽみたいな。
「…A、アレ…」
『…見えた?見えたよな?アレって…アレだよな、』
「アレだね…」
ムスッとした顔で乱暴に椅子を引き、ドカッと座った。
そして、こっちを睨みつけるようにして言ってきた。
「…んだよ」
『…いや、あー…』
…これ、触れてもいいやつ?あ、物理的にではなく、話題的に。
…つか、よく見ればコイツ頭にもなんか生えてんぞ。
『…五条、オマエ、それ、なに』
一語一語。区切って告げる。
「…呪霊に、かけられた、呪い」
『…だっはははははッ!!!ダッセー!!』
「うっせえ!!」
思いっきり吹き出した。
いや、腹よじれる。
最高傑作すぎるだろこの状況。
五条が呪いかけられて帰ってきたとか、マジ爆笑モンだわ。
『夏油聞いた!?五条ヘタして猫耳生やされたって!!』
笑いすぎて溜まった涙を拭って、夏油の方を振り返る。
そこには口元を抑えて震える夏油が。
「…ぷふッ…A…?笑っちゃ駄目だよ、本人にしつれ…ブッ」
「オイ傑テメエ綺麗に裏切ってんじゃねえ」
その後に硝子がきて、見事に全員爆笑。
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作者名:みかん狐。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/purerisu27/
作成日時:2022年3月11日 5時