僕はサンタさん another story Ⅱ 【SnowMan】 (ページ35)

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康二くんの通夜にも葬式にも行けなかった。

見たくなかった。

康二くんの冷たくなった姿もあいつが泣いてるとこも、見たくなかった。

年が明けたある日

「いらっしゃいませ…あ」

病院にいた男の人が店に来た。

「あ…Aちゃんの弟」

「え？弟じゃないっす…ってかどっちかっつったら兄貴でしょ…(笑)

まぁ…あいつの幼馴染です」

俺の方が大人っぽく見えないのか…？

「目黒蓮です。本日は何をお探しですか？」

「あ、あの…探し物じゃなくて…これ」

差し出されたもん見て驚いた。

「あなたが持ってたんですか…」

Aから遺留品で指輪が見つかったとかそういう話聞いてなかったから…事故でなくなったのかと思ってた指輪。

「クリスマスの日にサプライズで渡す予定だったんです」

深澤辰哉さんと自己紹介してくれた。

そういえばたまに康二くんから名前聞いてた気もする。

「サンタが届けてくれるサプライズか…康二くんらしいっすね…(笑)」

深澤さんがサプライズの話、してくれた。

康二くんサプライズ大好きだったもんな…

「これ、お返しします。何一つ触ってないし…俺が持ってても仕方ないんで…

Aちゃんに渡すわけにもいかないし…」

「そうっすよね…こういう時の返品は受け付けてますので…手続きお願いします。」

康二くんが楽しそうに選んでた指輪。

あいつの指にはまることなく戻ってきたのが虚しくて仕方がなかった。