23 お騒がせしました ページ23
…
「おーまーえーなーー」
「ご、ごめんなさい」
ゴゴゴゴという効果音が相応しい。後ろにメラメラ燃える炎が見えるもの。
びくびくと小さくなる私は、叱られた子供同然。子供じゃないなんて豪語しておいて、この体たらく。めちゃくちゃ恥ずかしい。
「ツナツナ、こんぶ、おかか」
「……まあ、棘が見つけてくれてよかった。ほら、移動すんぞ。見えやすいとこ行こうぜ」
狗巻くんが何か情状酌量の余地を訴えてくれたらしい。狗巻くんの様子を見て、それはそれは大きなため息をついてから、真希ちゃんはそう言ってくれた。
うう、恥ずかしいなあ。
肩を落として歩いていると、「つなつな」と狗巻くんに声をかけられた。
すっ、と赤いキラキラしたものが視界に入る。
ふと顔を上げると、狗巻くんが歩きながらこちらにそれをひとつ向けていた。
「狗巻くん? ……くれるの?」
「しゃけ!」
気づけば真希ちゃんにも渡したのか、真希ちゃんもりんご飴を食べている。
「え、でも悪いよ。迷子になっちゃった上に……」
「しゃーけ!」
いつもよりもちょっと優しげに目を細める狗巻くん。ほら、とでも言いたげにもう一度こちらにりんご飴を寄せる。
「ありがとう」
狗巻くんの優しさが、恐怖やら不安やらでぐちゃぐちゃだった心に染みて、また涙が出そうだった。
「狗巻くんは優しいねぇ」
「お、おかか」
──呪言のことだってそう。いつかのお菓子のことだってそう。今日お祭りの事を提案してくれたのも、りんご飴のことも。
「そういえば、はじめに気にかけてくれたのも狗巻くんだったね」
私、幸せものだなあ。なんてぼんやり思いながら、真希ちゃんの案内される場所へ向かった。
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みみず2(プロフ) - なおこちらのコメントは後日削除させていただきますので、必要であればお控えくださいますようお願いしますm(_ _)m (2022年4月26日 6時) (レス) id: c96996a763 (このIDを非表示/違反報告)
みさにゃん(プロフ) - 途中でも読みたいので教えてください❗ (2022年4月26日 0時) (レス) id: 261ab17a8b (このIDを非表示/違反報告)
みさにゃん(プロフ) - 大丈夫です。 (2022年4月26日 0時) (レス) id: 261ab17a8b (このIDを非表示/違反報告)
みみず2(プロフ) - みさにゃんさん» コメントありがとうございます。2作目の方が作品途中で更新停止してしまっていますがよろしいでしょうか? (2022年4月25日 2時) (レス) id: c96996a763 (このIDを非表示/違反報告)
みさにゃん(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございます❗ パスワードを教えていただきたいです。 (2022年4月24日 18時) (レス) @page48 id: 261ab17a8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みみず2 | 作成日時:2021年2月23日 21時