茨の君に最上の呪いを【狗巻棘】

6 夏服 ページ6

…




「どう？」

早速着てみる事になった私たち。
五条のその言葉に、皆は「悪くない」とか、納得したような言葉を呟いている。

「んで？ Aはいつまでそこにいんだ」
「ま、真希ちゃんとスカートの丈が違う……」
「当たり前だろ。お前との身長差いくつあると思ってんだ」

そう言われると言い返せないが、問題はそこではない。
「す、スカート……短い」
スカートの裾をなるべく下げようとぐいぐい引っ張る。泣きそうになりながらそう言うと、はあ？と言う顔をされた。

私のスカートは1部のプリーツだけ色が変わるというアレンジがされていて(オーダーした記憶はない)、丈が太ももの半分までしかない。(たぶん五条先生の仕業)

「わたし何もオーダーしてない」
「悟、」
「え〜？ 動きやすくって言っただけなんだけどな〜」

ほんとかよ。と全員思わず突っ込みたくなったが、なぜ私だけ。真希ちゃんと一緒でいいじゃないか。

「先生ひどい……」
こんなに露出多いだなんて聞いてない。酷い。本当に酷い。肌が出れば出ただけ呪力の抑えが難しいって知ってるくせに。──いや、この服はそのため？

「ったく、見てらんねーな」
真希ちゃんがそう吐き捨てる。うう、呆れられても仕方ない。だけどそんなふうに言わなくても。

随分としょげていると、ガタンと椅子がズレる音がした。
彼女は自分の椅子の背にかけてあったパーカーをとると、試着室のドアから進まない私の元へ近づいてきた。

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