17話 疑心 ページ18
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「アクマは先に行ったの？珍しいね」「足止めを食らうわけにもいきませんでしたからね…」アクア以外の大体のメンツが揃ったが、未だに状況が飲み込めないままだった。今まで動きの無かった【第三勢力】の登場、魔獣の存在、崩壊に追い込まれたと言われた国。繋がるような繋がらないような……答えはまだ見出だせない。
「……彼らの言ってることはエゴの塊でどっちにもつかない矛盾ばかりだし、生命の神達はどこにいるかもわからない」
「またヴァンテビーやグラトニーみたいな奴がいるのか？」
ユーカリは杖をついて俯くとウィルリスは大きいため息をつく。
「フン…今は考えていたって仕方がないだろう？さっさと国の中枢に向かったらどうだ？」
「へぇ、ウルトラソウルにしてはまともなこと言うんだね」
「誰が高貴な魂だ！」
レイはそれ以上に大きいため息を吐き、
「もうツッコむのも疲れましたよ…向かってくる魔獣を一掃しつつ大きい建物の方に向かっていきましょうか」
と言って剣を抜きスタスタと先を歩いていった。
「…あまり考えたくはないが…ニコラス…奴がこうなってしまった事に対しての責任を感じる………ついてきてくれるか？アルストリカ」
「ええ。主様を守るのが私の務め…」
「同じとこで弟が迷惑かけてるみたいだし僕も頑張んなきゃなぁ〜」
キチはアルヌスがミクオの事をずっと『上』と呼称していた理由をやっと理解した。
「お前、まさかあの死神の…その、なんだ………兄？姉？」
「なんとも言えないから上って呼んでるんだよアイツ」
体型、口調、容姿、性格、何を除いてもなんとも似つかわしくない。冗談を言ってるようにしか聞こえないが、二人とも嘘は付かないような気がした。
「アクアが心配だ、早く行こう！」
少年少女の足取りは軽いようで鉛の如く重かった。
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作者名：ミミック | 作者ホームページ：https://twitter.com/neidangel
作成日時：2018年8月4日 21時
