【オリ】Neid Angel「第三章」破戒神・スラッス (ページ16)

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15話　出会いページ16

血なまぐさい臭いと火薬の匂いが辺りに広がった廊下。しばらく進むと牢が目立つようになる。
つまりここは地下独房らしい。
「誰か………いないのか！！」
自分の事を鑑みず、虚ろな目で壁つたいに進むが一向に終わりが見えないでいる。

「誰か」

「…！」
遠くから声がした。反響して近くにいる錯覚に陥るが、きっと奥にいるはずだ。

「誰かいるの？」

「待っててくれ…！そこに行くから…！！」
あばらにヒビが入っている。息をするだけで鋭い痛みが身体を劈くものの足取りは止まらなかった。

「…キミは誰？」

「僕は…【正義の味方】だ」
薄暗い廊下の奥に一際輝く部屋があった。
部屋の中にも蝋燭がついているだけなのだろう、しかしアクアの目にはそれは希望の光に見える。

「正義の味方なんだね」

あと数メートル。一歩ずつ、一歩ずつ、重たい身体を引きずって歩いた。生存者がいる。精神状態は良好だろうか。ケガはしていないか。一人なのか。
聞きたい事は沢山あるけれど姿が見たい。
「今………そこに行く…！！」
牢に手が掛かる。フラフラの身体を起こし顔を見上げた。
オレンジ色に優しく照らされる牢の中、短い金髪の髪が透けて揺れる。頭のサークレットは光を乱反射してきらめいて神々しさを醸し出していた。