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「…先輩」
「んー、なぁに？」
おれの肩に控えめに寄せられたるるちゃんの身体。
他人の体温って、こんなにも心地のいいものだったっけな。
…違うか。
おれが、他人の体温の心地よさをただ単に知らなかっただけだ。
「私ね、本当は先輩のこと諦めようと思ってました」
ふっ、と隣を見ると
るるちゃんが昔を思い出すような、そんな目をしていた。
「先輩に告白した後の3、4日？くらい、私部活出ませんでしたよね」
「そうだね」
「その間に考えたんです。
"好きなままでいいですか"なんて強がって言ったけど、本当は諦めた方がいいんじゃないかって」
「…うん」
「それで諦めよう、って答えを出したんです。ちゃんと」
「うん」
「でもね。久しぶりに先輩に会ったとき、なんか…どうでもよくなったんです。
一生懸命悩んで出した答えも、全部どうでもよくなっちゃって」
「……」
「こうなったら諦められるまで、とことん好きでいてやろう！って思いました」
るるちゃんがおれの方に顔を向ける。
「あのとき、諦めてなくてよかったです」
綺麗な瞳がゆらゆらと潤んで、それが窓からさしてくる夕日に照らされて
とても、とても美しかった。
「…あの日の自分に先輩と付き合えるって言っても信じてもらえないなぁ」
「おれも、るるちゃんのこと好きになるなんて言っても信じてもらえないよ」
お互いにふふ、と顔を見合わせて笑った。
「あの日るるちゃんが告白してくれたから、今こうしているんだよ」
「…そうですか？」
「うん、だからあの告白も、全然無駄なんかじゃなかったよ」
一瞬教室の空気がシン、と静まりかえった。
なんだか自分の鼓動の音がやけにうるさく聞こえた。
「……Aちゃん」
「ひゃうっ！」
「なにその悲鳴」
「きゅ、急に名前はずるいですよ先輩…っ」
るる…Aちゃんの顔がみるみるうちに真っ赤な色に染まっていく。
「今度から名前で呼んでもいい？」
「はい、いいですよ？」
「Aちゃんもおれのこと名前で呼ぶ？」
「えぇえ、でも先輩ですし…！」
「智先輩でいいんじゃないの？」
「…そ、それなら」
ちょっと恥ずかしそうにツーンと顔をすましているのが可愛い。
おれはAちゃんの手をきゅっと握った。
…ねぇ、君と一緒ならどんな未来でも歩いていける気がするよ。
君は気づいてないだろうけど
絵を描く本当の楽しさについて教えてくれたのは君なんだよ。
この手を握っていれば、…きっと。
・・・END・・・
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あんみつ(プロフ) - まゆさん» わわ、2度目のコメントありがとうございます〜！！リーダーのお話はかなり悩んで、「本当にこんなんでいいのか〜！？」って思いながら書いてたので(笑)、そう言っていただけてすごく嬉しいです！わ〜ありがとうございます；；次回作も頑張ります(^^)♪ (2017年8月23日 20時) (
レス) id: 31751adb24 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - こんばんは。完結おめでとうございます♪どのお話もそれぞれが本当に「らしく」て、楽しく読ませていただいたのですが、個人的には智くんのお話すごく好きです！翔担なのに！笑 ここの更新いつも楽しみでした。次回作もお邪魔させてもらいますね☆ (2017年8月22日 23時) (レス) id: 14ffa4c385 (このIDを非表示/違反報告)
anmitsu(プロフ) - まゆさん» まゆさん、初めまして！コメントありがとうございます！わ〜〜〜嬉しいお言葉ありがとうございます；；二宮さんの方もきゅんきゅん出来るよう、頑張って書きますね(^^)読んでくださりありがとうございます〜！ (2017年7月30日 20時) (レス) id: 31751adb24 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - はじめまして、まゆ と申します。翔さんのお話、楽しく読ませていただきました！ 不器用だけど一途な翔さんと素直でまっすぐな彼女、素敵なカップルですね！しっかりきゅんさせてもらいました♪二宮さんのお話も、楽しみにしてますね！ お邪魔しました！ (2017年7月30日 18時) (レス) id: 14ffa4c385 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんみつ
| 作成日時：2017年7月29日 0時
