オトナの味【N】 ページ15
この運命を、恨めしく思わない日はない。
「放課後、このワークを資料室に…」
教室をぐるん、と見渡すと
パチッと目が合った生徒が1人。
「んじゃ、三嶋。持ってきてくれる？」
「…はい」
.
「先生ー、これ重いんだけど」
「あぁ…仕方ねぇな、半分持ってやるよ。ほれ、貸してみ」
だけど、この運命に感謝しない日もない。
教師と生徒じゃなきゃ、きっと君には出会わなかった。
「うっわ…ここ埃すご」
「大掃除んときしか掃除しないからねぇ」
「だからってこの散らかり様は……」
「フフッ。それ、この机の上ね」
ドサッとワークの束が置かれる。
「はぁー。重かったぁ」と彼女は床に座り込んだ。
「こーら、スカートが汚れるでしょ」
「いいの」
「良くないだろが。それ洗濯すんの母親だろ？」
「先生がこんな手伝いさせるのが悪い」
「元々誰かにはやって貰うつもりだったんだから仕方ない」
「なんで私なの」ってキッと睨まれたけど
「じゃ、オレのコト見詰めてたのはだぁれ？」とそう返すと、悔しそうに下唇を噛んだ。
「っ、下心丸出し！悪い大人！」
「あー…うん、そうね」
「…認めるんだ」
「ほら、ずっと床に座ってないで」
「先生が引っ張ってよ」
「ったく。我儘な子だね？」
「うっさい」
彼女の手を引く。
そのまま、腰に手を回して抱き寄せた。
「…ほら。こーゆーことする…」
「充電中」
そもそも、いい人はアレだ。
そんな風に生徒と付き合うなんてしないよな。
お前の言う通り、オレは悪い大人。
「先生の匂いする」
「あ、こら。煙草臭いからやめなさい」
オレの白衣に顔を擦りつけながら匂いをすん、って嗅いで
「この匂いが好きなの」と彼女は言う。
彼女が服から顔を上げると目が合って
オレは小さく微笑んで、柔らかな唇に唇を重ねた。
きゅ、と服を握る力が強くなって
白衣が彼女の方へと引っ張られた。
「…苦い」
「ちょっと前に煙草吸ってた」
「先生は煙草吸いすぎ」
「オマエはこんなオトナになんなよ？」
「こんな大人は先生だけで十分」
ふふっ、て柔らかく笑った彼女に
「だよなぁ」と笑って返した。
「ね、もっかいしてもい？」
「やだ」
「…へぇ。やだ、ねぇ」
「……」
「まぁ、やだって言われてもしますけど？」
じゃあ聞かないでよ、と言って彼女は口を尖らせた。
「A」
「なに」
「好きだよ」
「……うん、私も」
その言葉を溶かすように
オレは彼女に、少し苦い大人の味のキスを落とす。
・・・fin・・・
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かいちん♪ - 久しぶりにこの作品の続きが読めて嬉しいです(；ω；) 大好きな潤くんのお話の続きが読みたいです！ でも他のみんなのお話もキュンキュン止まりません！ (2019年1月21日 8時) (
レス) id: 8b1261ed43 (このIDを非表示/違反報告)
あんみつ(プロフ) - まなか＊もきゅもきゅさん» お返事遅くなってしまい、申し訳ありません(´；ω；`)いえいえ！こちらこそ有難い限りです…！またお時間があるときにでもチラッと覗いていただければ嬉しいです(*´ω｀*) (2018年7月31日 0時) (レス) id: 20e1b06e4d (このIDを非表示/違反報告)
まなか＊もきゅもきゅ(プロフ) - はじめましてー！ 素晴らしき作品に出会えました、、ありがとうございますっ！！！w あんみつさんの書く嵐さんに魅了されました(ﾉД`) 次の更新も楽しみにしてます！ (2018年6月17日 1時) (レス) id: b45e1692d1 (このIDを非表示/違反報告)
あんみつ(プロフ) - 二宮莉奈さん» 初めまして。甘々な二宮さん…良いですよね(*´艸`)自分でも書きながらニヤニヤです(笑)ゆっくり更新ですが、楽しんでいただけると嬉しいです！ (2018年6月14日 23時) (レス) id: 20e1b06e4d (このIDを非表示/違反報告)
あんみつ(プロフ) - kikiさん» もう、想像するだけで鼻血もんですよね(*´艸`)楽しんでいただけて良かったです！一緒に甘々されちゃいましょうー♪ (2018年6月14日 23時) (レス) id: 20e1b06e4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんみつ
| 作成日時：2018年5月25日 23時
