第七話 ページ10
≪晴人side≫
――数週間後。
桜の木々が蕾を付け始める頃――。
昼食を済ませた私とフラン様は、遠月学園へ移動していた。
遠月学園――正式名称｢遠月茶寮料理學園｣とは、東京都内にある日本屈指の名門料理学校。この学園では非常に厳しい少数精鋭教育を行っており、在学していただけで料理人として一目置かれる程、学校としての評価は高い。
私は、幼少の頃からお世話をさせていただいているお嬢様――フラン様を乗せた車を運転していると、ふと見知った人物の後ろ姿を見つける。
「……あれは――」
「どうしましたか？」
その人の隣に並ぶとブレーキを掛け、エンジンを切る。
窓の外に顔を向けていたフラン様は、最初は不思議そうにしていた。しかし私が発した名前に身を乗り出した。
「――創真さん」
「“創真”！？」
「！？ ぉおッ！ 晴人さん！ フランも！」
創真さんはこちらに気付くと、普段通りの明るい笑みを浮かべられた。
運転席から降り、後部座席のドアを開ける。そこから、フラン様が綺麗な長い髪を揺らして車を出られた。
「こんにちは！ 創真！」
「よお！ フラ、ン……」
「？」
フラン様のお姿を見るなり固まってしまった創真さん。頭の上に？を浮かべておられるフラン様は小首を傾げていた。
……ああ、成る程。そういうことですか。
「創真？」
「ぁっ、あーいや……その髪、どうしたんだ？」
「……これは、染めたんです。春っぽくしてみました」
「そっか……」
創真さんが驚くのも無理ないですね。
彼の知るフラン様は鮮やかな“黒色”の髪が特徴だった。しかし今は、どうでしょうか――
桜をイメージさせる美しい“桃色”を、風が優しく靡かせている。
「変、ですか……？」
「いやッ全然！ スゲー似合ってる！！」
笑顔になった創真さんはフラン様の頭を軽く撫でる。
「ッ……/// ありがとうございます」
親に褒められた子供のように少し頬を赤くするフラン様は、下を向かれた。
彼女なりの照れ隠しのつもりなのでしょう。
･･････創真さんとお会いになる前まで、どこか心に鎖をしていたフラン様。
しかし、彼と出会ってからは、その鎖が徐々に解け、感情を表に出されるようになられた。
それでも、未だ完全とは言えない。彼女を縛る鎖は、まだ、残っている。
私はいつか、貴方の心が解放される日を待っていますよ――貴方の傍で、いつまでも･･････。
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うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか？ (11月30日 16時) (
レス) @page28 id: de2c41cb59 (このIDを非表示/違反報告)
プリン(プロフ) - 遅くなってすみません(>_<) 白桜姫さん！ ありがとうございます！！ 更新再スタートさせようと思いますので、これからもよろしくお願いますッ(^^) (2019年1月6日 11時) (レス) id: 024f204e7f (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - 続きが見たい。お願いします(´･ω･`) (2018年12月16日 5時) (レス) id: a386c69c5e (このIDを非表示/違反報告)
プリン(プロフ) - ありがとうございますッ(≧▽≦)！！ ご期待に応えられるように頑張ります！！！ (2018年5月6日 8時) (レス) id: a29d263bfb (このIDを非表示/違反報告)
花 - お話の続きを楽しみにしてます(^○^) (2018年5月4日 22時) (レス) id: 85f6f855e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：プリン x他1人 | 作成日時：2018年3月13日 6時
