第十四話 ページ17
≪フランside≫
――ＩＮ編入試験会場。
創真とは別の試験会場では、数多くの学生の声で溢れていた。
とは言っても、ほとんどが料理業界のサラブレッドだけどねー……。
ぼーっと試験開始を待っていると、一人の男の人の声が耳に届いてきた。それと同時に、辺りは静けさと緊張感が漂い始める。
「――初めまして。本日の編入試験を一任された、一色慧です」
“一色慧”という名前……
そしてこの声……、間違いない――
「――“慧さん”……ッ」
懐かしい人物によって、今度は感情を抑制し切れず、口から漏れてしまった。しかしそれも、この距離では相手に聞こえてはいない筈……。
今、彼はきっとにこやかに貼り付けられた笑顔でいるでしょうね。
「今から編入試験を……」
「一色様ッ！！」
「ん？ どうしたんだい？」
試験官の一色さんの説明に割って入ってきた者は、彼に耳打ちする。一色さんの「あー……成る程。分かったよ」と納得した声がすると、再度一色さんは説明を始めた。
「こちらの都合上、試験内容を大幅に変更させていただきました」
何とも唐突な……。内容が面倒だったのかしら……？
「簡潔に言います。今から皆さんには、“卵”を使った料理を一品作ってもらいます。それを審査員が実食し、合格基準に届いた者だけが遠月学園への編入を許可されます」
シンプルな試験内容に、周りは余裕を生み出していく気配がした。しかし、あまりに単純なルールに、私が訝し気に眉を顰めている時――。
「ちなみに――審査するのは“薙切えりな”です」
「「「！！？」」」
薙切、えりな……。彼女が、この編入試験に……。
『いいことッ！ 私は決してッ貴方に屈するつもりはありませんから！！』
目を閉じて、
涙目になりながらも意地を張り続ける"幼馴染み"を脳内で思い浮かべる。
「なお――今から１分間だけ、受験の取止めを認めます」
この言葉が、合図となった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 120人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか？ (11月30日 16時) (
レス) @page28 id: de2c41cb59 (このIDを非表示/違反報告)
プリン(プロフ) - 遅くなってすみません(>_<) 白桜姫さん！ ありがとうございます！！ 更新再スタートさせようと思いますので、これからもよろしくお願いますッ(^^) (2019年1月6日 11時) (レス) id: 024f204e7f (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - 続きが見たい。お願いします(´･ω･`) (2018年12月16日 5時) (レス) id: a386c69c5e (このIDを非表示/違反報告)
プリン(プロフ) - ありがとうございますッ(≧▽≦)！！ ご期待に応えられるように頑張ります！！！ (2018年5月6日 8時) (レス) id: a29d263bfb (このIDを非表示/違反報告)
花 - お話の続きを楽しみにしてます(^○^) (2018年5月4日 22時) (レス) id: 85f6f855e4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：プリン x他1人 | 作成日時：2018年3月13日 6時
