第十二話 ページ15
≪ＮＯside≫
「不味い……」
「ひっ」
「も、申し訳ありませんお嬢様！！」
金髪に近い薄茶のロングヘアーを揺らす美少女は、発した。
「酷いフィットチーネだわ……そうまるで――のどかな田園を歩いている時に、五万匹のワタリガニが横切ったような味がするのよ！」
彼女は自身の髪を片手でパサッと靡かせ、キッと紫色の目を吊り上げて呟く。
「笑えないわね……ちっとも笑えない……！」
少女の瞳には、一体何が映っているのだろうか――？
≪えりなside≫
「――最後の品です」
「うむ」
私――薙切えりなは、味見の品である牡蠣雑炊(かきぞうすい)を口に運ぶ。
「……」
ピチョン カポ〜ン
温かい湯に浸かり、体を休ませる。
……？
すると、目の前にいたのは――
「不味い！」
「！！！」
先の牡蠣雑炊を器ごとひっくり返し、それを出してきた男の頭に落とす。
最悪よ……！
「……全く揃いも揃って、よくここまで酷い品を並べられたものね！」
“あちっ”と言って倒れ込む男など無視し、私は言葉を紡ぐ。
「最後の牡蠣雑炊は特に酷かったわ。そうまるで――ニシローランドゴリラと混浴してるような味がするのよっ」
(難解だ……)
(やはり凡人とはひと味違う感性をお持ちだ……)
「察するに、下ごしらえの段取りをひとつ省いたようね。貴方方のグループが事業拡大に入ったことも、その為の効率化を進めていることも知っています。だからといって……」
どうやら、図星のようね……。甘いわ。
「こんな品で、私の舌を汚すことが――許されると思って？」
「ひっ……」
彼らは濡れたコックコートのまま、一斉に正座をし頭を下げた。
「「「申し訳有りませんでしたー！！」」」
悔恨の念に駆られる声に背を向け、私の付き人である新戸緋沙子に目だけ向ける。
「次の予定は？」
「こちらです」
緋沙子に渡された紙に目を通すと、そこには「遠月茶寮料理学園 編入試験」について説明が書かれていた。
「――ふん。評議会入りすれば、こんな仕事も回ってくるのね。着替えを済ませたら向かいます」
「はい、えりな様」
コックコートから遠月の制服へ更衣中、私の脳内に“ある人物”の言葉が過った――。
『――えりな。いつになったら貴方は自分を取り戻すの？』
うるさいわよ……だったら、だったら私の前から消えないでよ……――。
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うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか？ (11月30日 16時) (
レス) @page28 id: de2c41cb59 (このIDを非表示/違反報告)
プリン(プロフ) - 遅くなってすみません(>_<) 白桜姫さん！ ありがとうございます！！ 更新再スタートさせようと思いますので、これからもよろしくお願いますッ(^^) (2019年1月6日 11時) (レス) id: 024f204e7f (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - 続きが見たい。お願いします(´･ω･`) (2018年12月16日 5時) (レス) id: a386c69c5e (このIDを非表示/違反報告)
プリン(プロフ) - ありがとうございますッ(≧▽≦)！！ ご期待に応えられるように頑張ります！！！ (2018年5月6日 8時) (レス) id: a29d263bfb (このIDを非表示/違反報告)
花 - お話の続きを楽しみにしてます(^○^) (2018年5月4日 22時) (レス) id: 85f6f855e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：プリン x他1人 | 作成日時：2018年3月13日 6時
