白翼の乙女【改】 (ページ6)

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そして声が出ていることに気かづいた。

イムホテプのドヤ顔が無性にイラついたので乱暴におろす。

「もう少し丁寧に扱わんか！」
「残念だが育ちは良くないものでね、大神官様よ。」

陽乃芽は驚いた。この義兄が人をそうやって乱雑に扱うのを初めて見たからだ。

「まぁイムホテプのおかげで初めて妹の声を生で聞けたんだ。感謝するとしようかね。」
「顔が似とらんな。」
「血は繋がってはおらんのでね。」

その砕けた話し方に陽乃芽はヤキモチを焼いた。

「まだ安心はできぬぞ?まだマガイは祓えておらんからな。」

義父はメモを片手にマガイとは何か聞いた。
イムホテプは偽物の神であり本物と違って破壊欲のまま「呪い」を撒き散らすと答えた。

日向は拗ねた陽乃芽を高い他界したが子供扱いと感じられて余計に拗ねられた。年頃の女の子って複雑……。

ようやく仕事を終えて帰宅している天妃はズボンのポケットの中で電話が鳴っていることに気づく。

「はいもしもし。こちらは留守電の＿＿＿」
“俺だ。“
「オレオレ詐欺は受け付けておりません。」
“ふざけるのも大概にせよ。“

お茶らけた態度を取ったが電話の相手が真面目な雰囲気を醸し出したため、すぐにそれをやめた。

「なんの御用でしょうか“兄者“」
“貴様イムホテプが目覚めたこと知っていただろう?
今日うちに来た。“

あちゃーと目を覆う。
連絡をし忘れた。

「申し訳ありません。」
“まぁいいさ。俺もそこまで酷じゃねえ。
本部と日本支部の動きは?“

「本部はコンス上位神官にラト上位神官、セド下位神官を護衛にイムホテプを迎えに上がります。おそらく彼にあの大魔法を発動させるのかと。日本支部の動きはすいません、有力な情報はありませんでした。せいぜい支部長の体調ぐらいしか。」
“日本支部についてはしょうがない。お前は前線から身を引いているし晴天の末裔も出世に興味はないからな。
それにしてもあいつか。他の二人も予想の範囲内だ。
だがあれを発動させるわけにはいかない。
『身内の罪は“
「我が罪に等しい』でしょう。覚えておりますとも。」

宵の空を転写したようなラピスラズリの瞳が固く何かを見つめている。