☆夏の約束ver.towaco ページ22
「どうしよ…」
ぎゅっと握りしめた携帯の画面を見つめて既に10分。
文字を打っては消し、打っては消しを続けては、ため息をつく。
ちらりと時計を見るともう針は真上にくるまで後少しというところだった。
もうこうなったらしょうがない。
勢いに任せて文章を打ち込むと、その勢いのまま送信した。
そして、勢いのまま後ろに倒れ込むと布団を被り目をつぶった。
*
「A!!」
聞きなれた声に辺りを見回すと、ひょろりと高い背が目に入った。
小走りで駆け寄りながら、左腕についた腕時計をちらりと見る。
「遅れてごめん」
「構いませんよ」
「それに、こういうときは女性が遅れてくるものでしょう？」と、相変わらずの何を考えているのか分からない無表情で言う。
きゅっと胸が縮まった。
なんでそういうことさらっと言うかな。
「とわこやっぱり浴衣似合うね」
「そうですかね？Aの方こそ似合ってますよ」
仕返しのように発した言葉でさえ、簡単に返してくるのだから。
「そういえば、昨日のメールどうしたんですかいきなり」
とわこはなんとなしに聞いたのだろうけれど、私はどきりと目を逸らした。
「いや、なんとなく…？」
だって言えるはずもないし。
とわこはもう忘れちゃったんじゃないかとか、もう面倒くさくなっちゃったんじゃないか、なんて。
「そうですか」
歩き出したとわこの後ろについていく。
下駄の心地よい音が二人分重なった。
「とわことわこ」
かき氷食べたい、と声をかけると大きな背が振り返った。
見つけたかき氷の屋台で赤い氷を購入する。
きらきらと輝くそれに思わず目を奪われる。
まるで、宝石みたいな。
隣を見れば同じように青い氷を見つめるとわこの姿があった。
「_____るわけ」
「え？」
ぼそりと呟いたとわこに聞き返すと、こちらをジッと見つめていた。
「忘れるわけないじゃないですか」
言い終わると直ぐに、ふいと目をそらした。
何を言われたのか理解した瞬間頭に血が上った。
「なっ、」
「約束は守る男ですよ」
ふっと微笑むと、私の手を取った。
ああ、やっぱこいつには敵わない。
＊＊
あああああ夏が終わっちゃうううう
宿題終わってないいい:(´；Д；｀):
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みぃ(プロフ) - あさ*さん» ありがとうございます！頑張って更新していきますねー (2015年8月29日 13時) (
レス) id: 75403d034d (このIDを非表示/違反報告)
あさ* - 一つ読んで一気に引き込まれました。凄く素敵で更新が楽しみになりました！頑張って下さい (2015年8月29日 10時) (レス) id: 94b83067cf (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - はるかさん» ありがとうございます！はるかさんの書くぴーぴーさんが大好きで小説読ませていただいてます。憧れの作者さんにそんな風に言ってもらえて本当に嬉しいです…！ゆっくりではありますが、更新頑張っていきます！ (2015年8月27日 18時) (レス) id: a3b8573582 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 素敵な短編集ですね！まだ半分しか読んでいませんが、今から全部読んで行きたいと思います！感情の書き方や物の捉え方がすごく好みで大好きです。これからも他作品なども更新頑張ってください！ (2015年8月27日 0時) (レス) id: 7ad535111a (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - お酒要素が少なくて申し訳ないです…でも、楽しんでいただけたようで良かったです！頑張ります！ (2015年3月20日 6時) (レス) id: a3b8573582 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緋色 | 作成日時：2015年3月15日 17時
