あなたは既婚者 （ 完結 ）

（７）あなただけ ページ7

Aside







會澤「祐輔と仲良いんだね」


『えっ！』


會澤「祐輔がご飯いきましたって写真見せてくれた」


『別に仲良いってほどでもないんですけど』


會澤「お似合いだと思うよ」







え？お似合いって...
まさか、付き合ってると思ってる？？








會澤「俺、あんまり会わないほうがいいやつ？」


『違いますっ！野村さんとはそう言う関係じゃないです！』






會澤「よかった...」









私の頭に大きい手が置かれた。

なんで、そうやって思わせぶりな態度をとるの？


もっと好きになっちゃう...








『なんでですか』


會澤「ん？」


『なんでよかったって思ったんですか』


會澤「Aちゃんとこうやって一緒にお酒飲めなくなるんじゃないかって思ったから」


『......』


會澤「ダメだよね。奥さんも子どももいるのに」


『ダメじゃないです！』


會澤「Aちゃんは優しいね」








私は優しくない....。
ただ、欲張りなだけ。

この時間だけでも、會澤さんは私のものだって思える。








會澤「Aちゃん？」








下を向いていると、會澤さんの優しい声で呼ばれた。







『もう無理かも......』








涙が溢れてきた。







會澤「ど、どうした！？？
ティッシュ、あげる！」


『なんでそんなに優しいんですかぁ！』


會澤「えっ？」


『これ以上優しくしないでください！

これ以上優しくされたら.....
會澤さんのこと、もっと好きになっちゃう』







會澤さんは黙り込んだ。








『會澤さんには、大事な人も大事な人との子どももいるんです。

私の気持ちが叶うことはないんです！
だから、飲み友達のままでいたいんです！』


會澤「Aちゃんに厳しく当たることはできない」


『な、なんで...』


會澤「Aちゃんは俺にとって大切な人」


『だって、』


會澤「俺の奥さんとは、Aちゃんみたいにお酒をいっぱい飲んで仕事の愚痴とか相談とか言えないもん。

これができるのはAちゃんだけ」








私だけ。

會澤さんは、こういう優しい言葉を言い、惑わせてくる。




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