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柳田警部補が家を出て行ってからしばらくして。

 ジロちゃんが、ベッドに腰掛けて首を傾げている。


「ジロちゃん、A、交番に戻ろう」

「う〜ん……」

「ジロちゃんどうしたの?」

「何か見覚えがあるんだよなぁ……」


 そう言いながらジロちゃんが見ているのは、2人の男性が写っている写真。

 この2人を見たことあるってことだろうか。


「あっ……あの時の」

「何?」

「ねぇこの2人、家の前で見た。ここに戻って来てた」


 ジロちゃんが立ち上がって私達に向かってそう言う。

 家の前で見た? 犯人を?


「この2人がここに? ってことは……」

「ピッキングしたの、この2人ってこと?」

「ああ。オレ達がここに来る前、この家に忍び込んでたんだ」


 ジロちゃんがぺらりと犯人が写っている写真を持ち上げる。謎がひとつ解けた。けれど、それだったら。


「でもおかしい」

「うん、おかしい。なんでまたこの家に来たんだ?」


 ジロちゃんがそう呟く。そう、問題はそこ。どうしてわざわざ犯人は戻ってきたのだろうか。

 事件は発覚して警察の捜査が始まってることも分かってるはずなのに、戻ってくるなんてリスクが高い。


「ねぇ、アポ電強盗の犯人が同じ家に2回も入る意味ってある?」

「よっぽどの理由が無いと入らないでしょ」


 カイ君が、私とジロちゃんの言葉を聞いて口元に手を当てた。


「そうか……分かったぞ、犯人がこの家に戻ってきた理由が」









 バタバタと夢中で廊下を走る。2人の一歩後ろから遅れて飛び込んだ病室では、黒の柄シャツを羽織りナイフを持った男とジロちゃんが揉み合っている姿があった。

 ナイフを持ったまま壁際に逃げた男が、私たちを見てにやりと笑う。


「お巡りさんか……嫌いなんだよなぁ〜」


 そう言うと、男が真ん中に居る私に向かってナイフを振り下ろしてきた。


「っ!」

「A!!」


 慌てて避けたと同時に、ジロちゃんが私の腕を引いて後ろに庇ってくれた。ブンブンと見境なく振られるナイフを、ジロちゃんとカイ君が間一髪で避けて行く。


「うぁあっ!」


 カイ君がナイフを持つ男の手首を掴み、病室の外のストレッチャーに押し付けた。振り払われてまた目の前で光ったナイフを避けると、隣のジロちゃんが腹を一発殴る。その隙にカイ君がまた手首を掴み、ストレッチャーに叩きつける。

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弥生(プロフ) - 三神奈津美さん» いつも読んでくださりありがとうございます( ´ ▽ ` )ノガードわんこもつけ麺も可愛かったですよね(^^)そんなこと言われちゃうと書いちゃいます…8話では難しそうなので9、10話のどこかにねじ込もうかな。これからもお付き合いください( ´ ▽ ` )ノ (2020年8月26日 0時) (レス) id: c9566d77ee (このIDを非表示/違反報告)
三神奈津美(プロフ) - いつも拝見させて頂いています。私も"ガードわんこ"好きなので、ぜひ弥生さんの作品の中でも見たいです! (2020年8月25日 14時) (レス) id: 7b45036589 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:弥生 | 作成日時:2020年8月14日 17時

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