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「こんにちはー！ あら、初めて見る顔ね」
「野々村さん、どうも」
「えっ、もしかして新人さん？」
ありがたくお昼ご飯を頂こうと仮眠室から出ると、明るい声の初老の女性がやって来た。
野々村さんという情報と指導警官は顔見知りのようだ。ご近所さんなのかな。
「学生ですよ。現場実習の時期で」
「まぁ〜偉いわね〜。うちの息子にも見習ってほしいわ〜……フフ。
はい、これ差し入れ。肉十番さんとこのメンチ。どうぞ」
「いつもすみません。……ほらアルコールして」
開かれた紙袋からはふわりとお肉のいい匂いがした。一気にお腹が減ってくる。
ジロちゃん、カイ君、私の順番でアルコール消毒をする。手をスリスリしながら野々村さんを見ると、ニッコリ笑って「どうぞ」と勧めてくれた。
「おわ〜うまそう！」
「美味しいのよ」
「ありがとうございます！ いただきま〜す」
「いただきます……あっつ！」
メンチをひとつ持ち上げたジロちゃんと、熱いと騒ぐカイ君。恥ずかしそうに笑う隣、私もひとつ頂く。……ホントだ、熱い。ということは、揚げたてメンチ……！
「うーん……！」
「うまっ！」
「美味しい！」
一口齧ると、口の中に肉汁がじゅわりと広がった。熱いけど美味しい……メンチ最高……！ 目をキラキラさせた２人と目が合った。今度の休み、買いに行こう。
「うちの子もこうだったらいいのにね……フフ、そうそう。この間話してた例のほら、あのチラシ。出来てきたの」
「あっ出来ました？」
「見てくださる？ これね」
カバンの中から出てきた白いチラシ。『電話詐欺にご注意を！』と書かれたそのチラシは、振り込め詐欺の注意を促すチラシのようだ。
「いいじゃないですか〜」
「そう？ 何枚かプリントアウトして、」
「そうですね、近所に……」
ニコニコと野々村さんが続ける。野々村さんが作ったのかな？
その会話の様子を見守っていると、メンチカツを半分ほど食べ終えたジロちゃんが背を向けて篠田警官に「野々村さんでしたっけ？」と話しかけた。私の隣のカイ君は、メンチカツに興味津々だ。
「よくいらっしゃるんですか？」
「地域の防犯係を買ってでてくれてね、他のお年寄りが犯罪に巻き込まれないよう色々してくれてる」
「ふーん」
「あと息子さん？ どうかしたんですか？」
私も気になっていた事をカイ君が尋ねた。『こうだったらいいのにね』って……なんだか意味深だ。
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弥生(プロフ) - 三神奈津美さん» いつも読んでくださりありがとうございます( ´ ▽ ` )ﾉガードわんこもつけ麺も可愛かったですよね(^^)そんなこと言われちゃうと書いちゃいます…8話では難しそうなので9、10話のどこかにねじ込もうかな。これからもお付き合いください( ´ ▽ ` )ﾉ (2020年8月26日 0時) (
レス) id: c9566d77ee (このIDを非表示/違反報告)
三神奈津美(プロフ) - いつも拝見させて頂いています。私も"ガードわんこ"好きなので、ぜひ弥生さんの作品の中でも見たいです！ (2020年8月25日 14時) (レス) id: 7b45036589 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：弥生 | 作成日時：2020年8月14日 17時
