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佳奈ちゃんか鷹木さん、橘さんといった2組女子とペアになると思っていたのに、初めての交番実習のペアは何故かカイ君とジロちゃんの2人だった。
野原さんが退学したことで、奇数組が一つ出来たらしい。それにしても、なんでまたこの組み合わせなんだろう、楽しいからいいけど……なんて思いながら、大黒警察署、南神奈川交番に向かう。
「本日より実務実習に参りました、警察学校258期、片野坂教場本間快です!」
「同じく、一ノ瀬次郎です!」
「同じく、黒羽Aです!」
「「「よろしくお願いします!!!」」」
カイ君の気合いが120%だ。声で分かる、あのウキウキ感。釣られてジロちゃんも私もウキウキキリッとした声で挨拶してしまった。
バッ、と勢いよく敬礼をする私達に、交番の指導警官はのほほんと「は〜いよろしく」と返事をした。
「自分達は、指示がなければ動かない最近の若いヤツらではございません」
気合い十分のカイ君がウキウキと喋り出す。何を言い出すんだろう……真ん中のカイ君を、私とジロちゃんは静かに見つめる。
「そこでご提案があります。管轄地域の事を理解するため、まずはパトロールから始める……というのは如何でしょうか」
「名案! ははっ、名案ですね!」
「理由もバッチリです! 如何でしょう!」
ニコニコと3人で指導警官を見る。2人もニコニコと私達を見て、
「何もするな」
「「「はいっ!」」」
「……はいっ?」
「「へっ?」」
何もするな? なんで?
「警官が殺されて拳銃を奪われるという事件が起きたばかりだ。学生を危険な目に遭わせられない」
そう言うと、おじさん指導警官がガチャリと隣の仮眠室のドアを開いた。篠田というお兄さん警官が「は〜い進んで進んで入ってぇ」とジロちゃんの肩をぐいぐい押す。
「そっち入って入って、はいはい……」
「うわっ!」
「あっちょっと……」
「えっえっ?」
ぐいぐいぐいと押されて入った仮眠室から、おじさん警官を見る。「ここに入って何もするな」と言うと、パタンとドアが閉められてしまった。
「いやあの、ちょっと……!」
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弥生(プロフ) - 三神奈津美さん» いつも読んでくださりありがとうございます( ´ ▽ ` )ノガードわんこもつけ麺も可愛かったですよね(^^)そんなこと言われちゃうと書いちゃいます…8話では難しそうなので9、10話のどこかにねじ込もうかな。これからもお付き合いください( ´ ▽ ` )ノ (2020年8月26日 0時) (レス) id: c9566d77ee (このIDを非表示/違反報告)
三神奈津美(プロフ) - いつも拝見させて頂いています。私も"ガードわんこ"好きなので、ぜひ弥生さんの作品の中でも見たいです! (2020年8月25日 14時) (レス) id: 7b45036589 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:弥生 | 作成日時:2020年8月14日 17時