Ep.8：明日は輝く side Kai ページ18
事件が起きるたび壊れたメガネ。でも、あの事件では壊れなかった。
時計の針は、あの時から止まったままだ。
「──時計の針は、あの時から止まったままだ……」
「えっ？」
「今、そう思ってなかった？」
たった今考えていた事が一言一句そのまま、いつの間にか部屋に戻ってきていたジロちゃんが言い当てた。
柱に手を置いてもたれ掛かるジロちゃんが、ケロッとした顔でこちらを見ている。
「ハッ、ジロちゃん……超能力者？」
「うん……カイ君とはテレパシーが通じるみたい」
頷きながらジロちゃんが部屋にあがって、『テレパシーて……』と呆れた声がその手元のスマホから流れた。
Aの声だ。
「Aの考えてることも分かるよ？ 明日の朝ご飯何かなー、でしょ」
『それはジロちゃん』
ビデオ通話らしく、スマホを掲げたジロちゃんが笑いながらそう言ってAに切り捨てられた。最近、Aとジロちゃんはよく電話している。なんなら２人屋上に上がって話し込んでいる時もある。
何を話しているのか気になるけど……そんなことよりも。
「事件は終わってない」
「うん」
『そうだね』
「姉弟との約束、果さなきゃね」
ジロちゃんが穏やかにそう言った。俺達の信じるもののためにも、必ず真犯人を見つけないと。
・
「──今日から君たちは校外にて実務実習に入る。現場は訓練の場じゃない。実践の場、捜査の最前線だ。そこでは何が起こるか分からない。
事実、先日警察官２名が何者かに拳銃を奪われその場で射殺される事件も発生した。
学校で教わったことだけでは通じないと思え。自分の頭で考えて行動しろ。いいな！」
「「「はい！」」」
片野坂教官のピリピリした声に、教室内の緊張感が一層増す。
警察官としての道に、一歩近付けた気がした。
「おぉ〜思ってたより重い」
装備室で受け取った装備を身に付けていく。コルセットのせいで押し込みにくいシャツに戦う俺の隣、一足早く装備を終えたジロちゃんが目をキラキラさせて銃を出していた。
「これがヒーローの背負う重みだ」
「あれ？ 弾は？」
「実習で支給されるのには実弾は入ってないの」
ジロちゃんの呟きに返事をした時。
「──バカは緊張しないんだよ！ 俺もバカに生まれたかったな〜。賭けてもいい、アイツら絶対何かやらかす」
黒岩のヤツ……！
「ジロちゃん手を挙げろ！」
「うわあ〜A撃たないで〜」
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弥生(プロフ) - 三神奈津美さん» いつも読んでくださりありがとうございます( ´ ▽ ` )ﾉガードわんこもつけ麺も可愛かったですよね(^^)そんなこと言われちゃうと書いちゃいます…8話では難しそうなので9、10話のどこかにねじ込もうかな。これからもお付き合いください( ´ ▽ ` )ﾉ (2020年8月26日 0時) (
レス) id: c9566d77ee (このIDを非表示/違反報告)
三神奈津美(プロフ) - いつも拝見させて頂いています。私も"ガードわんこ"好きなので、ぜひ弥生さんの作品の中でも見たいです！ (2020年8月25日 14時) (レス) id: 7b45036589 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：弥生 | 作成日時：2020年8月14日 17時
