ねえ、拐ってよ 【怪盗キッド】

拐ってよ。９ ページ9

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「いやぁ、美味しかったぁ…。上手だね、青子ちゃ…」


「Aさん、…あの…、相談があるんですけど」




ん？なあに？と私は優しく問いかける。

まあ相談の内容はある程度分かった気がするけど。
青子ちゃんの方に体を向けて、微笑んでみせる。




「わ、私…快斗のこと好きなんです…」


「うん」


「こ、告白しようかなって。…でも、今の関係が崩れたら…」




私は軽くデコぴんをする。
『いてっ』と小さく悲鳴をあげたが、私はそれを無視して言葉を紡ぐ。




「弱気になってんじゃないの。
　ダメならダメで良いじゃない。女ってのは諦め早くないと嫌われちゃうのよ？当たって砕けろ、よ。」




ぽんぽん、と頭を撫でてやる。
青子ちゃんは嬉しそうに『はいっ』と返事をした。





「じゃあ、いってきますね！」




私は頑張ってね、と手を振る。
…青子ちゃん、頑張って。







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「お帰り、青子ちゃ…わあっ！？」


「Aさんっ、OK…してくれましたよ、快斗っ」




微笑みながら嬉し涙を溢す。
良かったね、と私は頭を少し乱暴に撫でる。




「わあっ、ちょ…Aさん！髪の毛くしゃくしゃっ」




あぁ、本当に嬉しそうな顔してる。
ぐぬぬ、…先を越されてしまったなぁ…。
少し悔しいけど、…本当嬉しそうだから恨むにも恨めんっ。



「ふふ、先を越されてしまったなぁ…
　幸せになりなよ、青子ちゃん。」


「ううっ、Aさぁん…！
　…あ、Aさんにいいお相手…ご紹介しましょうか？」




青子ちゃんはにやっと怪しく笑った。


えぇ…なにこの子…怖いんだけど…








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