優しい光 (ページ6)

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涼太「お待たせ～。」

そう言って賑やかな輪の中へと入っていった片寄くん。

どうする？と柚那と顔を見合わせていると、
一人の男の子が声を上げた。

玲於「あ！Aさん…！」

涼太「と、俺の彼女ね。」

隼「初めまして。ムツゴロウで～す。」

「む、むつごろう？」柚那「…んふっ。」

涼太「ムツゴロウ改め、小森隼だからね。」

小森さん……すごくいいキャラしてる。

亜嵐「初めまして、白濱亜嵐です。よろしく。」

「あ、初めまして…よろしくお願いします。」

大樹「えっと、俺は佐藤大樹って言います。特技は～」

涼太「ウーパールーパーのモノマネでしょ？」

大樹「いやっ、できないから。できない。」

酔っているからなのか、それとも普段からこういう明るい人たちなのか、笑顔が絶えなくて楽しそう。

隣に座る柚那を見てみると片寄くんの手を握って幸せそうに笑ってる。…いいなぁ。

ていうかわたし、さっきからこの二人を見て
“羨ましい” としか言っていない気がする。

だってホントにそうだもん。

片寄くんといるときの柚那は悔しいくらいにかわいいし、柚那といるときの片寄くんは彼女思いなのが痛いくらいに伝わる。

それほど愛してみたいし、愛されてみたいな…。

テーブルの上に並んでいるジョッキを眺めながら
ぼーっと、そんなことを考えていた。

柚那「A、大丈夫？」

「…え？あ、うんっ。大丈夫だよ。」

柚那「ホントに無理しなくていいから。もしここにいるのが嫌だったら敬浩さんたちの所に行こう？」

「ううん、平気。それにわたしだって友達作りたいし。だから気にしないで？大丈夫だから。」

わたしがそう言うと不安そうに眉を下げる。

だからもう一度、念を押すように〝大丈夫〟だと伝えれば、今度は目尻を下げて頷いた。

涼太「…じゃあ、改めまして。カンパーイ！」

「「「「カンパ～イっ！！」」」」

ここにいる皆さんと仲良くなれますように…。

そんな思いを込めて、
残り僅かなビールを一気に喉の奥へと流しこんだ。

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