優しい雨 2 ページ9
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フロイド君の瞳を真っ直ぐ見つめてお礼を告げると彼はいつものようにヘラりと笑った。
そして、フロイド君は腰を屈める。私と彼の顔の距離が一気に近くなって、無いはずの心臓がドクンと跳ねた気がした。
フロイド君と私の視線が絡む。
だけどそれは一瞬の事で、気付けば私の視界に映るのは彼の後頭部だった。何だろう。凝視していると突然、私の脚に何かが触れた。
「──っん!」
脚に触れていた何かはフロイド君の手のようで。彼は傘を持つ手とは反対の手で、レインコートの下からのぞく私の脚を器用に撫で回していた。
「あは。クラゲちゃん、カワイ〜」
膝上丈の外套は、彼にとっては触ってくれと主張している様に見える程短いものだったようで。
エース君の時とは違い、今は羞恥よりも怒りの方が勝ってきていた。何か熱いものが込み上げてくるような感覚を覚えながら、水溜まりに佇んでいた私はフロイド君が触る脚とは逆の方の足で水溜まりを思い切り踏み付けた。
「もう!!さっきの感動返してよ!」
バシャッっと大きな音が鳴り、水飛沫が上がる。
「──っ!うっわ〜」
きっとフロイド君には水飛沫が掛かった筈だ。水飛沫を上げて、すぐに瞬間移動でその場を後にした私は彼の反応を最後まで見ていない。しかし、彼の位置的には制服のズボンは濡れていると思う。
いい気味だ。せっかく私の中でフロイド君の株がぐんっと上がっていたというのに、さっきのセクハラで彼の株は急降下だ。
「ゔゔぅぅ……」
職員室近くの廊下に来た私は、ため息を吐き出すみたいに、大きく唸った。
何だか今日は逃げてばかりな気がする。だけど決して私は悪くない。さて、この怒りにも近い何かをどう発散してやろうか。なんて、一人で悶々としていると私の名前を呼ぶ声が耳に入った。
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塩(プロフ) - コメント失礼致します。ゴーストちゃんと生徒たちの関係性がとても可愛くて続きが気になります!ゴーストちゃんにはいろんな愛を感じて幸せになってほしい……!お身体に気をつけて、無理せず更新頑張ってください!応援しています! (2020年7月18日 15時) (レス) id: 791ebcf5a9 (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 話し続きが気になる (2020年6月28日 15時) (レス) id: 9e05ed3410 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みるくる | 作成日時:2020年6月26日 18時