【sior・TOP4】補欠的日常 (ページ9)

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9.清掃したい【🥷】ページ9

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● あまり驚かないガッチマンはゲーム実況ばかりやっているのライブが始まります:新人清掃員さん

「はい〜Vじゃない方のコラボ生配信は久々だねー」

　配信を始めるとぶわっとコメントが流れる。何度やってもこの感じは慣れない不思議な感覚だ。Vじゃない方だから、声だけの配信はかなり気持ちが楽だ。しかも、今日のゲストがゲストなだけに、本当に気持ちが楽すぎる。

「今日はねえ、高圧洗浄機をゲストと2人でやります」

＞だれ！？
＞ 4人じゃないの新鮮
＞ちょっと予想ついてます

「そうだね、ずっとやりたいやりたい言ってたから、その子の視聴者の人はなんとなーく分かってるかも」

　「ということで、今回一緒に清掃してくれるAちゃんでーす」と通話の繋がっている彼女を呼べば、「こんばんは〜！」とヘッドフォン越しに嬉しげな声が聞こえてきた。

　4人で高圧洗浄機の動画を上げてからというもの、Aちゃんは俺らに会う度に「下手くそすぎる」と喚き、自身の生配信でも、「わたし、高圧洗浄機がやりたい」と文句を言っていたらしい。

「満を持してだね」

「新人って書いてあるけど私全然上手いからねガッチさん」

「あら、やったことあるの？」

「めっちゃやってる。仕事疲れて家帰ってきて無心になりたい時とかやってる」

「たしかに、これは無心になれるな。何ストレス溜まってるの？」

「理不尽な顧客消えろ！って思って汚れ落としてる」

＞ Aちゃんいつもお疲れ様です
＞ベテラン清掃員じゃん
＞汚れと共に消そうとしてるwww
＞ Aちゃん手持ちのノズルの種類多！

　たしかに、Aちゃんはノズルがレベル1のワンタイプだけでなく、さらに遠くに放水できるものなど付け替えるものを持っていて、かなりやりこんでいることが分かる。

「よし、じゃあAちゃんとりあえず乾杯」

「いえいKP！」

　せっかくならお酒好き同士、お酒でも飲みながらやろうってことになっていて、俺とAちゃんは同時にカシュッと缶のタブを開けた。

「よっしゃやるぞー！」

「やる気十分で素晴らしい。行きましょうか」

　Aちゃんの言葉に、ステージを選んで早速始めていく。大きな家のステージ。Aちゃんは「わたし右行くね〜」とすぐに右へ走っていった。

　本当に好きなのだろう、珍しく無言でやり続けているAちゃんに、俺も無言でやってみると、コメント欄が草でうまる。

＞なんか話してくださいw
＞ ASMRで草

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