19.甘やかしてます【🥷】 ページ20
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普通は、女の子が混じるとアルコールってのも少しは抑えられた飲み会になるもんだと思うのだけど、俺たちはAちゃんが加わると更に飲んだくれの飲み会になる。
とはいえ、飲んでいるのは主にAちゃんと俺とうっしーなのだけど。
「仕事終わりのお酒おいしい……」
「よかったねえ」
仕事が終わって俺たちの飲み会に合流したAちゃんは、俺の隣でジョッキに入ったハイボールをぐびぐびと半分ほど飲みほした。
嬉しそうにきゅうりをかじりながらお酒を飲むAちゃんに、俺は分かる分かると心の中で頷いた。
「……Aちゃんあんまり飲みすぎんなよ」
「まあまあいいじゃないの」
俺たちの正面に座って飯をかっくらっているキヨは、Aちゃんの飲みっぷりに顔を顰めている。俺がなだめる横で、Aちゃんも「大丈夫だよ」とキヨにヘラヘラ笑いかけた。
「ガッチさんが甘やかすから、ガッチさんのいる飲み会の後のAちゃんどろどろなんだよ」
「いいじゃんまだ若いんだからどろどろになったってさあ」
「いいじゃんいいじゃん」
「Aちゃんは黙ってて」
いつの間にかジョッキを空けて、2杯目に突入している。キヨの言葉は何処吹く風で、「ガッチさんも」と焼酎を注いでくる。
Aちゃんがハイペースでテンション高く飲みまくる時と言うのは大抵、仕事でストレスを感じているときだと知っている。またなにかあったんだなぁと思いつつ、彼女の注いでくれた焼酎を一口。
「くぅ〜っうめぇ〜っ!」
「ガッチさん一気一気!」
キヨは「レトさん!!」とうっしーと楽しそうに話していたレトルトの方に助けを求めに向かった。
「Aちゃんはいつも頑張っててえらいなあ、仕事も実況も」
「……」
メガネの奥から、地味なブラウスにパンツスーツ姿のAちゃんを見つめつつ言うと、Aちゃんはその言葉を噛み締めるように黙って、へへっと小さく笑った。
高校生の時から知っているから、うちの嫁も俺も、Aちゃんのことをもうほぼ親戚の娘くらいに思っている。それは俺たちのもの好きな性格と、Aちゃんの子供好きな性格(うちの娘と仲がいい)と、Aちゃんがほんとに応援したくなるほど頑張り屋なのが理由だ。
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🥷「えらいえらい。今週もお疲れ様」
「がっちさぁん……!養子にしてえ!」
🐈⬛「Aちゃんまじいい加減にして」
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作者名:parumu | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/parumu_u_62
作成日時:2022年4月3日 12時