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081.これまで通りは ページ34

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「ごめんね手伝ってもらっちゃって」

「いや全然」




 結局、会社のご厚意に甘えさせてもらうことにした。ストーカーのこともあって諦めざるを得ない状態になっていたけれど、やっぱり私はあの会社が好きだし、ゲームの開発にも携わってみたい。もう一度いただけたチャンスだ。しっかり働いて、実況も頑張って、自立した女になる。そう決めた。

 だから、引越し先が決まるまでのしばらくの間、会社の寮に入ることにした。今日は、その引越しの準備を兄とフジくんに手伝ってもらっている。




「前より出勤日数減るし、撮影時間合わせやすくなると思うから、一緒に動画撮ろうね」

「おう、クソ実写また撮ろうぜ」

「そうだね、コロナであんまり集まれてないし」





 「また撮りたい」と彼らを見て言うと、フジくんと兄は顔を見合せて、すっからかんになった私の部屋の中にどかっとあぐらをかいて、私にも座るように促した。





「キヨと動画撮ることについては、お前はどう思ってる?」

「……」





 改まって何かと思えば、兄は真剣にそう聞いた。あれから、キヨくんとは1度も会っていないし動画も一緒に撮っていない。気を使われているのか、TOP4にも最俺にも、キヨくんがいる時は誘われなくなっていた。





「私は、キヨくんとも撮りたいよ」

「……」

「でも、まだ、全くこれまでと同じようにってのは、無理かも」





 情けなく笑って見せれば、フジくんは深深と頷いた。
 きっと今、キヨくんと動画をとったら、周りの人にも気を使わせてしまうような態度をとってしまうのは明らかだったし、その変な空気感を視聴者のみんなに感じ取らせてしまうのもどうかと思う。なにより、普通に辛い。





「……やっぱり、これまで通りってわけないよな、Aちゃんの方がまともだわ」

「え?」

「キヨ、これまで通りに戻るだけだって言ってたんだけど、普通人間そんな簡単に割り切れないべや」





 フジくんが複雑そうにため息をつく。





「……完全に脈ナシってやつかあ」

「え、いや、そういう意味じゃ」

「だって、好きだったらすぐにこれまで通りなんて無理じゃん」

「……あいつも無理してんだってば……」





 フジくんの言葉に「ありがと」と笑うと、「いや別に慰めとかじゃねーのよ……」と頭を抱えていた。



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設定タグ:キヨ , レトルト   
作品ジャンル:恋愛
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parumu(プロフ) - なみのさん» こちらにもありがとうございます!読みやすさとそれっぽさ(?)を意識しているので嬉しいです!笑 これからもよろしくお願いします! (12月24日 8時) (レス) id: 3fe3b17a70 (このIDを非表示/違反報告)
parumu(プロフ) - 夜さん» 長い文章を読んでいただき本当にありがとうございます、、、!頑張ります! (12月24日 8時) (レス) id: 3fe3b17a70 (このIDを非表示/違反報告)
なみの - さいっっっこうじゃないですか!文章も分かりやすくて最高です!!(二回目) (12月19日 21時) (レス) id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
- 最初から読んでいます。本当に最高です。文才もあり羨ましいです!応援しています! (12月9日 11時) (レス) id: b9a823def9 (このIDを非表示/違反報告)
parumu(プロフ) - りんごさん» 読んで頂きありがとうございます💕!🦀さんの声を脳内再生しながら、🦀さんならどうするかなと想像しながらリアルを追求して書いてるので嬉しいです🥲! (12月2日 3時) (レス) @page49 id: 3fe3b17a70 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:parumu | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/parumu_u_62  
作成日時:2022年6月23日 22時

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