073.ゲームしながら ページ26
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マンションに行くと、ぎょっとした顔で私を出迎える兄。靴を見て兄しかいないことを確認すると、私は質問に答えることなくずかずかと部屋の中に上がり込んだ。
「ちょいちょい！マジで何いきなり」
「大学の頃、私の部屋に住まわせてあげたことあったよね」
「……おう」
何を言い出すのかと怪訝そうな顔で頷く兄に、「今夜泊めて」と続けると、「なんだよキヨと喧嘩でもしたのかー？」と愉快そうに言った。
「……」
「え、珍しい。マジで喧嘩？」
「……」
「痴話喧嘩ってやつね」
「はいはい」と頷いた兄に、私は彼の部屋のソファにストンと座る。涙腺が弱くて自分で嫌になるけれど、ぽろっとこぼれる涙に、慌てて目元を拭う。
「え、何。結構深刻なやつか」
「……ごめん」
ティッシュを渡してくれた兄は、私の謝罪を泣いてしまったことに対してだと思ったようだったけれど、違う。
「私とキヨくんが付き合ってるっていうの、嘘なの……」
「え？」
「嘘ついて、ごめんなさい」
「え、どうして」と言いかけたお兄ちゃんは記憶を辿るように少し黙り込むと、なにか察したように、「……ストーカーのこと関係ある？」と尋ねた。小さく頷く私に、「あー……」と深く頷いた。
「謝んなよ」
「……」
「俺だってお前に嘘ばっかついてるよ」
「それはどうなの」
少し笑ってしまった私に安心したように、お兄ちゃんは笑った。そして、どかっと私の隣に座って、「そんで、キヨとは何があったんだよ」と尋ねる。
「……振られちゃった」
「え？……お前が？キヨに？」
「……」
問いかけに頷く私を見て、お兄ちゃんは「いや、そんなはずは……」と困ったように腕を組んで首を傾げている。
私だけじゃなくて、兄までこうして変に期待してしまってるあたり、やっぱりキヨくん思わせぶりだったんじゃないと心の中で少し悪態をついた。
「大事だけど好きとかじゃないって」
言いながらまたぽろっと涙が目の端から零れて、慌てて拭った。
兄はしばらく私を見つめて黙り込み、「ゲームするべ」とSwitchのコントローラーを差し出した。
「長い話になりそうだし、何戦か交えながら話そーぜ」
「な」と続ける兄に、昔からゲームをしながらたわいも無い話をしていたことを思い出す。小さく頷いてコントローラーを受け取ると、兄は楽しそうに笑った。
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parumu(プロフ) - なみのさん» こちらにもありがとうございます！読みやすさとそれっぽさ（？）を意識しているので嬉しいです！笑 これからもよろしくお願いします！ (12月24日 8時) (
レス) id: 3fe3b17a70 (このIDを非表示/違反報告)
parumu(プロフ) - 夜さん» 長い文章を読んでいただき本当にありがとうございます、、、！頑張ります！ (12月24日 8時) (レス) id: 3fe3b17a70 (このIDを非表示/違反報告)
なみの - さいっっっこうじゃないですか！文章も分かりやすくて最高です！！(二回目) (12月19日 21時) (レス) id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
夜 - 最初から読んでいます。本当に最高です。文才もあり羨ましいです！応援しています！ (12月9日 11時) (レス) id: b9a823def9 (このIDを非表示/違反報告)
parumu(プロフ) - りんごさん» 読んで頂きありがとうございます💕！🦀さんの声を脳内再生しながら、🦀さんならどうするかなと想像しながらリアルを追求して書いてるので嬉しいです🥲！ (12月2日 3時) (レス) @page49 id: 3fe3b17a70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：parumu | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/parumu_u_62
作成日時：2022年6月23日 22時
