050.突然のおさそい ページ3
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「えぇ、そんなのできるかなぁ……うん……」
風呂から上がってリビングへ行くと、ソファの上でクッションを抱え込んで、携帯を耳に当てて話し込んでいるAちゃんの姿があった。
その顔はほんのり赤くて、表情もかなり柔らかくて、きっと気の置けない相手との電話なのだろう。
「……っ！じゃ、じゃああの、また連絡するね」
Aちゃんは、俺に気がついた様子で、慌てて電話を切った。俺がソファの前に座って「話しててよかったのに」と言うと、Aちゃんは「ううん！大丈夫！レトさんだし！」と慌てたように答えた。
(レトさんか)
知らない男じゃなくて良かった。なんて。
けれど、さっき話し込んでいた時の表情を思い出して多少モヤつく。
Aちゃんにとって、俺は唯一無二である自信があるし、信頼されている自信もある。
けれど、それはレトさんとAちゃんの関係にも言えることであって、むしろ、Aちゃんが何かを相談する相手っていうのは、俺よりも専らレトさんの方が多かった。
「キヨくん？」
「……あぁ、いや、なんでもない」
顔を覗き込まれて、慌てて平静を装う。
俺は、テレビの前に並んでいるSwitchのコントローラーを手に取ると、俺があげたルームウェアに身を包んでいるAちゃんに「ん」とそれを渡した。恒例の寝床争奪戦だ。
「よぉし、今日は勝つぞ！」
意気込んで腕まくりをするAちゃんが可愛い。
ささ一緒に暮らし始めて数週間。Aちゃんと俺のほぼ互角。交互にベッドとソファを行き来することが多かった。
今日は、俺はリンク、Aちゃんはピカチュウで戦っていると、Aちゃんはおずおずという感じで俺に話しかけてきた。
「キヨくん」
「なに？」
「あのさ、キヨくん行きたいところとかある？」
「……行きたいところ？」
なんの相談だろうか。俺達は手を止めることも、相手の方を見ることもなく、テレビの画面を見つめながら話を続ける。
「旅行とかそういう感じで」
「あー……のんびりどっか行きたいよね、温泉街とか。レジャー系よりもそっちのが行きてえかも」
「ふうん」
「聞いといてその返事かい」
薄っぺらい返事にくすくす笑いながら突っ込むと、Aちゃんは「温泉か……」と噛み締めるように言った。
「キヨくん」
「はい」
「私と旅行行きませんか」
「え」と絶句して手元まで止まる。Aちゃんのピカチュウはその隙に俺のリンクを頭突きでKOした。
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parumu(プロフ) - なみのさん» こちらにもありがとうございます！読みやすさとそれっぽさ（？）を意識しているので嬉しいです！笑 これからもよろしくお願いします！ (12月24日 8時) (
レス) id: 3fe3b17a70 (このIDを非表示/違反報告)
parumu(プロフ) - 夜さん» 長い文章を読んでいただき本当にありがとうございます、、、！頑張ります！ (12月24日 8時) (レス) id: 3fe3b17a70 (このIDを非表示/違反報告)
なみの - さいっっっこうじゃないですか！文章も分かりやすくて最高です！！(二回目) (12月19日 21時) (レス) id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
夜 - 最初から読んでいます。本当に最高です。文才もあり羨ましいです！応援しています！ (12月9日 11時) (レス) id: b9a823def9 (このIDを非表示/違反報告)
parumu(プロフ) - りんごさん» 読んで頂きありがとうございます💕！🦀さんの声を脳内再生しながら、🦀さんならどうするかなと想像しながらリアルを追求して書いてるので嬉しいです🥲！ (12月2日 3時) (レス) @page49 id: 3fe3b17a70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：parumu | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/parumu_u_62
作成日時：2022年6月23日 22時
