061.肉食のキヨくん ページ14
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「……うめぇー」
「ふふ」
2人で晩御飯を食べていると、キヨくんが思わず漏れたというように言う。キヨくんは、私の作ったご飯を豪華なディナーかってくらいに味わって食べてくれる。思わず笑った私の声に、キヨくんは恥ずかしそうに「ほんと、美味い。いつもありがと」と言った。
「住まわせてもらって、彼氏のフリまでしてもらってるんだもん、ご飯くらいなんでもないよ」
「もし、Aちゃんが出ていったらまたコンビニUberに逆戻りかと思うと……」
キヨくんは「味わっとくわ」と笑って、もぐもぐと料理を食べた。昨日も今朝も、少し様子がおかしかったキヨくんは、ランニングをしたら少し気持ちが晴れたのか、いつも通りに戻っている。よかった。
私は、コロッケを口に運びながら、傍らに置いていた旅行雑誌の付箋のページを開いてキヨくんに見せた。
「この前話した旅行の話なんだけどっ」
「ん、……お、伊勢？」
「うん！どう……かな？」
キヨくんは、私の見せた雑誌のページをペラペラとめくると、「いいじゃん、すげー楽しみ」と楽しそうに笑っている。心の中でガッツポーズをしつつ、「これ！キヨくん絶対好きしょ！松坂牛！」と牛肉を指さすと、「Aちゃん、俺のこと肉食動物だと思ってるしょ」とけたけた笑った。
「……違うの？」
「俺も、野菜食えるようになってきてんのよ」
「明日の晩御飯きゅうりの漬物出すね」
「勘弁して下さい」
「ほら、肉食動物」
「好きな食べ物、肉と女の子だからな〜」
「最低」
キヨくんの言葉に笑いながらつっこんで「じゃあ伊勢！予約しておくからね！」と言うと、「レンタカーは俺が取っとくわ」とキヨくんも楽しそうに頷いた。
キヨくんは「ご馳走様でした」と手を合わせて、シンクにお皿を運んでカチャカチャと洗い始める。私もお皿を運んでいると、キヨくんはこちらを見ないまま「あのさぁ」と声をかけた。
「うん」
「……警察、どうだった？」
「あ、うん、きちんと対応してくれたよ」
「携帯のデータ提出してきて、調べてくれるみたいなんだけど、ほぼ確定で接見禁止例も出せると思うからって」と続ける私に、キヨくんは「そっか、よかった」と頷く。
「レトさんが撮ってくれてた動画見せた瞬間から対応が一気に変わって」
「なんだかんだやっぱ困った時は頼りになるね、レトさん」
「うん、ほんとに」
「すげーわ」
キヨくんはうんうんと頷きながら、黙々とお皿を洗い続けていた。
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parumu(プロフ) - なみのさん» こちらにもありがとうございます！読みやすさとそれっぽさ（？）を意識しているので嬉しいです！笑 これからもよろしくお願いします！ (12月24日 8時) (
レス) id: 3fe3b17a70 (このIDを非表示/違反報告)
parumu(プロフ) - 夜さん» 長い文章を読んでいただき本当にありがとうございます、、、！頑張ります！ (12月24日 8時) (レス) id: 3fe3b17a70 (このIDを非表示/違反報告)
なみの - さいっっっこうじゃないですか！文章も分かりやすくて最高です！！(二回目) (12月19日 21時) (レス) id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
夜 - 最初から読んでいます。本当に最高です。文才もあり羨ましいです！応援しています！ (12月9日 11時) (レス) id: b9a823def9 (このIDを非表示/違反報告)
parumu(プロフ) - りんごさん» 読んで頂きありがとうございます💕！🦀さんの声を脳内再生しながら、🦀さんならどうするかなと想像しながらリアルを追求して書いてるので嬉しいです🥲！ (12月2日 3時) (レス) @page49 id: 3fe3b17a70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：parumu | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/parumu_u_62
作成日時：2022年6月23日 22時
