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049.彼を落とす方法 ページ2

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「キヨくんを落とす方法」

「はい」




 困った時のレトさんとはよく言ったもので、彼女たちと食事をした日の夜、キヨくんがお風呂に入っている間にレトさんに電話をかけた。ツーコールで出た彼は、げんなりした様子で「切っていい?」と言った。

 外堀から=男友達に頼る。これがさやかちゃんのアドバイスで、私が気兼ねなく相談できてキヨくんが仲良しで今の状況を知っているのはレトさんしかいなかった。




「レトさんだけが頼みの綱なの!」

「……お前、こんだけ長い間キヨくんとの関係変えたくないって止まってたのに、いきなりどうしたの」

「……」




 私のこれまでの迷走を全て知っているレトさんは、心底不思議そうに言った。図星をつかれて、私はソファの上でクッションを抱えて丸くなる。




「……この今の状況で、キヨくんといい関係になれなかったら、もう可能性無くなっちゃうような気がして」

「ふうん。追い詰められたって訳か」

「うん……」

「極端だね」




 レトさんはふふっといつものように笑うと、「男らしいじゃん、Aちゃん」と言った。




「レトさん、私がキヨくんと付き合えなかったら貰ってくれる?」

「……いらねえよ」

「レトさあん」

「弱気すぎんでしょ」




 普段こんなことは死んでも言わない。それくらい、昨日さやかちゃんに言われたことが響いているのだ。




「別に俺だって沢山恋愛経験してきたわけじゃないし、聞く相手間違ってない?」

「レトさんしかいないんだってば……キヨくんのこともよく知ってるし」

「んー……」




 レトさんは、面倒臭いとか嫌だとか言いながら、なんだかんだいつも私の相談に乗ってくれる。そういうところが、愛があって好きだと毎回思う。
 レトさんは暫く唸ると、「そうだねぇ」となにか思いついたように口を開いた。




「お前とキヨくんの場合、なにか大きなきっかけがないと前にも後ろにも進めないよな」

「……おっしゃる通りです」

「一緒に暮らすっていうのが大きなきっかけになると思ってたんだけど、聞く限りあんまり刺激もないみたいだし」




 「旅行にでも行ってみたら?」とレトさんは言った。
 キヨくんと旅行。まさかの提案に私はそれを噛み砕きながら想像する。キヨくんと旅行なんて、プライベートだと行ったことがない。動画の企画で何度かはあったけれど、完全プライベートとなるとまた意味合いが違う。




「2人でさ、泊まりがけで行ってきなよ」




 レトさんの提案に「.........うん」と私は頷いた。


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設定タグ:キヨ , レトルト   
作品ジャンル:恋愛
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parumu(プロフ) - なみのさん» こちらにもありがとうございます!読みやすさとそれっぽさ(?)を意識しているので嬉しいです!笑 これからもよろしくお願いします! (12月24日 8時) (レス) id: 3fe3b17a70 (このIDを非表示/違反報告)
parumu(プロフ) - 夜さん» 長い文章を読んでいただき本当にありがとうございます、、、!頑張ります! (12月24日 8時) (レス) id: 3fe3b17a70 (このIDを非表示/違反報告)
なみの - さいっっっこうじゃないですか!文章も分かりやすくて最高です!!(二回目) (12月19日 21時) (レス) id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
- 最初から読んでいます。本当に最高です。文才もあり羨ましいです!応援しています! (12月9日 11時) (レス) id: b9a823def9 (このIDを非表示/違反報告)
parumu(プロフ) - りんごさん» 読んで頂きありがとうございます💕!🦀さんの声を脳内再生しながら、🦀さんならどうするかなと想像しながらリアルを追求して書いてるので嬉しいです🥲! (12月2日 3時) (レス) @page49 id: 3fe3b17a70 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:parumu | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/parumu_u_62  
作成日時:2022年6月23日 22時

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