【◇】Playball!!! 12

〈信頼される先輩に〉 ページ7

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「あぁ、今年の合宿は年上が居ないから比較的心穏やかだわ……」
御幸「はは、お前にとってはそうかもな」
倉持「いよいよお前が老害って訳か」
「失礼な、私は皆に優しいA先輩ですぅ」
倉持「ひゃはは」
「ツッコめよ」




休憩時間に、コーヒー牛乳のパックを飲みながら言う私に、御幸はケラケラ笑い、倉持は面倒くさそうに受け流してきた。
いや、だって私がこの2年間、先輩方にどれだけこき使われてきたと思っているのか。1年の時は東先輩、2年の時は亮介さんや純さん。正直マネージャーの私にとってもなかなか過酷なイベントだ。




「今年は3年生として、マネージャーのリーダーとなり……」
御幸「おぉ、すげぇすげぇ」
倉持「今年も爆弾おにぎり作り頼むわ」
「あんた達体バキバキになってもマッサージしないからね」





意気込みを語る私に2人共相変わらずの塩対応なので、むっとして言い返すと、2人揃って「すみませんでした」と謝った。






倉持「あ、今年は5号室に集まってスマブラするから、杉本も来いよ、夜」
「えっ！行きたい！いいの？」
倉持「おう。1年との交流会だけど、お前はあんまり絡みすぎんなよ」
「なんで」
倉持「お前既に1年からやべー女だと思われてるから」
「どういう意味！？」




やべー女って。
確かに、思い返してみれば、今朝の1年のマネージャー達にしても、私に一線引いている感じがしなくもない。




「……私もしかしてびびられてる？」
御幸「そうだな」
倉持「今頃かよ」
「……まじで？」
御幸「まじ」





「びびるっつーか、引いてる」とヘラヘラ笑いながら御幸に言われて、がーんとショックを受ける私。倉持はそんな私の様子を見て、爆笑しながら「うちの浅田はお前にまじでビビってるぞ」と言ってのけた。





御幸「まあ奥村なんかは言わずもがな」
「私勝手に仲良くなりつつあると思ってた……」
倉持「ポジティブすぎんだろ」
御幸「まあ嫌ってはねえと思うけどさ」
「……監督の部屋に夜這いとか言ってる場合じゃ……」
倉持「ひゃはは！そんなことしたらドン引きだな」




軽く泣きそうになる。
私は今朝やる気に満ちていた自分をぶん殴りたくなる。




「私……、今年の合宿は後輩に信頼されるように頑張る」
倉持「おう、せいぜい頑張れ」



☆


☆


先輩としての苦悩


☆



「貴子先輩のように……私も素敵な先輩マネージャーに……」
倉持「無理だろそれは今更」
「そうすれば、監督も私を見直して……」
御幸「おい、下心」



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