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「ただいまぁ」
「おかえんなさい」
家に帰ると、珍しくおばあちゃんがうちにいた。
「どうしたの？」と言いながら進路調査票をポケットに隠すと、お母さんがケーキを持って台所から出てくる。
「久々に休み取れたから、Aに逢いに来てくれたんだって」
「わー！ケーキ！」
「ありがとおばあちゃん」と言って洗面所の方に行って手を洗っていると、
おばあちゃんがやってきて、私のポッケから進路調査票を抜き取った。
「あ、あぁ！それは！」
「何でこんなに黒焦げなんだい？」
「あ、いや、それは.......」
「まあいいよ。あんた、これからどうしたいとか決まってるのかい？」
「え........」
「雄英、来るのかい？」といきなり核心を突いてきたおばあちゃんに口ごもっていると、おばあちゃんは「ちょっとおいで」と私を家の前の庭に連れ出した。
「さっきそこで泣いてたんだけどね。あんた、この子の傷治せるかい？」
庭に出ると、小さな子猫が寝ていて、その子の足には血がにじんでいた。
「おばあちゃん、私、個性は........」
「懐かしいねえ。毎日毎日幼稚園のクラスの友達の怪我治して、あんたはかわりにぶっ倒れて帰ってきてたよねぇ」
「.......」
自分に、大好きなおばあちゃんと似た個性が出てきたことが嬉しくてたまらなかった私は、毎日のように友達の怪我を治してキャパオーバーしてぶっ倒れていた。
かっちゃんにはいつも「攻撃力ゼロ」とか言われていたけど、
出久くんやお母さんは「優しいAちゃんにぴったりの個性だね」って褒めてくれて、それで大事な人が怪我をするとすぐ個性を発動してたっけ。
「わたし、おばあちゃんみたいに大怪我なんて直せるような個性じゃないし、それに」
「ブツブツ言ってないで早く治してやんな！」
「あ、うん」
猫の足にそっと触れると、ふわっと光が拡がって、じわじわと傷口がふさがっていく。
「相変わらず綺麗な光だねぇ」と褒めてくれるおばあちゃんに、照れくさくなった。
傷口が全部ふさがって、ダンボールから猫が飛び出すと同時に、少し目眩がして、その場にしゃがみこんだ。
「あんた最近個性使ってないね？」
「........」
「最後に使ったのは？」
「........3年前」
私の言葉にびっくりして細い目をきゅっともっと細くしたおばあちゃんは、「どおりで弱っちくなってるわけだねぇ」と小さくため息をついた。
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parumu(プロフ) - だいずさん» ありがとうございます。直しておきます。 (2020年11月9日 21時) (
レス) id: eb2da74267 (このIDを非表示/違反報告)
だいず(プロフ) - みねたの漢字は峰田ではないでしょうか？ (2020年11月9日 20時) (レス) id: 341db306ca (このIDを非表示/違反報告)
parumu(プロフ) - サクラさん» ありがとうございます！ゆっくりにはなりますが更新頑張りますので宜しくお願いします！ (2020年9月21日 19時) (レス) id: eb2da74267 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - 一気読みさせていただきました！続編も楽しみに読ませていただきます！更新頑張ってください！ (2020年9月14日 2時) (レス) id: 99a13ff01b (このIDを非表示/違反報告)
parumu(プロフ) - 鳳＊さん» コメントありがとうございます！わかります・・・岡本信彦さんがやることでもっともっとかっちゃんの良さ出てますよね、、更新頑張ります！これからもよろしくお願いします！ (2020年3月7日 13時) (レス) id: 583168fb08 (このIDを非表示/違反報告)
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