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教室を出て生徒玄関まで行くと、靴を履き替えているかっちゃんがいた。私の気配を感じとったかっちゃんは、「なんだよ」と私を睨んだ。
「…いや、かっちゃん、戦闘訓練のあとから様子が…」
「…同情でもしにきたんか」
「そ、そんなんじゃないよ！ただ、あの」
なんで私はかっちゃんを追いかけてきてしまったのだろう。
単に、かっちゃんの様子がどことなく普段と違っていて、心配になってしまったから、その心配で何も考えずに放っておけなくて追いかけてしまった。
かっちゃんが様子がおかしい原因は、きっと出久くんとのことで、それなら尚更幼馴染として放っておけなかった。
「心配だったから」
「…心配？」
ハッとバカにしたように笑うかっちゃん。
「てめぇが心配してんのはほんとに俺なんかよ」と言いながら私の腕をつかみ下駄箱にどんっと押し付けた。
かっちゃんの顔は、長い前髪が目元を隠していてよく見えないけど、噛み締める唇からとてもじゃないけどいい気分じゃないことはよくわかる。
掴まれた腕がじんじんと痛いけど、そんなこと言い出せる気配もなかった。
「かっちゃ…」
「お前はぁ！デクしか見てねぇだろーが！！！」
「…」
「昔から出来損ないのデクのことばっか見て、今回デクが個性を出してきたこともなんか知らねぇけど受け入れて」
「逆にすごいとか思ってやがんだろお前は」と言いながら私の腕を握る手の力をもっと強くする。
握られた場所がほんのり熱くなっているのが怖かったけど、やっぱり言い出せなくてかっちゃんを見るしかない。
私だって、出久くんが急にあんな強い個性を出してきたこと、なんの疑いもなく受け入れたわけじゃない。
「私は、ヒーローをめざしてる出久くんに、個性が出たのならそれは、嬉しいことで、喜んであげることだって思ったから…」
「そうだな、てめぇはデクが好きだもんな」
「…か、かっちゃん？な、な、なにを…」
「別に！てめぇがデクの個性のことどう思ってようがなんだっていいんだよ！！でもなぁ！」
「かっちゃん！！！」
かっちゃんが言いかけたところで響いた声は、10数年聞きなれた出久くんの声。
私とかっちゃんが2人揃って横を見ると、ぼろぼろだけど少し回復したらしい出久くんが立っていて、私とかっちゃんを不安げな顔で見つめていた。
小六の時、私が個性を使うのを辞めた日、あの日のようなこの状況に、わたしは小さく息を飲んだ。
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parumu(プロフ) - だいずさん» ありがとうございます。直しておきます。 (2020年11月9日 21時) (
レス) id: eb2da74267 (このIDを非表示/違反報告)
だいず(プロフ) - みねたの漢字は峰田ではないでしょうか？ (2020年11月9日 20時) (レス) id: 341db306ca (このIDを非表示/違反報告)
parumu(プロフ) - サクラさん» ありがとうございます！ゆっくりにはなりますが更新頑張りますので宜しくお願いします！ (2020年9月21日 19時) (レス) id: eb2da74267 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - 一気読みさせていただきました！続編も楽しみに読ませていただきます！更新頑張ってください！ (2020年9月14日 2時) (レス) id: 99a13ff01b (このIDを非表示/違反報告)
parumu(プロフ) - 鳳＊さん» コメントありがとうございます！わかります・・・岡本信彦さんがやることでもっともっとかっちゃんの良さ出てますよね、、更新頑張ります！これからもよろしくお願いします！ (2020年3月7日 13時) (レス) id: 583168fb08 (このIDを非表示/違反報告)
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