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「...実際助けられなかった自分にレスキューポイントが入るのはおかしいと」
「はい...」
「しかも、あのあとぶっ倒れて数々の人にご迷惑をおかけしたので」と、相澤先生の眼力の脅えつつ言うと、相澤先生は「それはお前の主観だ」と簡単に言ってのけた。
「たしかに、俺は見ていてあんなお粗末な作戦、絶対実践じゃ通用しねぇと思った。実際倒せなかったしな」
少し血走った目で見られて、狼狽えつつ小さく頷けば、「これも、俺の主観」と言った。
「助けられたかどうかって言うのは、世間の声やヒーロー自身の感じ方がそりゃ大きくなるけど、実際のところ分かるのは被害者しかいない」
「...被害者」
「...お前に助けられたあの男子」
「お前の電話番号教えろってあのあと来たよ」とかったるそうに言う相澤先生に、「へ」と口を開けば、
相澤先生はまたあの目で私を見て「礼を言いたかったんだと」と言う。
「普通に個人情報教えるわけにはいかなかったけど、俺が伝えておくってことで納得して帰ってもらった」
「...」
「あの女の子にありがとうって言ってくれって」
「...」
「被害者以外の思いなんて正直、ヒーローにとってはどうだっていい。命を助けても、心に大きく傷をおうひとだってこれまで沢山見てきた」
「『助ける』って1面的な話に見えて多面的だ。ヒーローから見たら作戦失敗でも、民衆から見たらお粗末な結果でも、被害者が助かった、ありがとうって思ってくれることが1番大事だと思う」と続ける相澤先生に、思わずぽろぽろと涙がこぼれる。
自分の個性で「助かった、ありがとう」なんて言われたの何年ぶりだったか。
相澤先生は泣いてる私に居心地悪そうに箱ティッシュをくれる。
「実際、あの状況下で助けに来てくれるだけで、被害者にとっては心強いだろうことは教師陣みんなわかっていた。受験生のほぼ全員が見て見ぬふりしてたからな。そんな中で無謀でも手を差し伸べてくれるだけで」
「そりゃ助かったろ。心も体も」と言ってくれる相澤先生の目は相変わらず血走っているけれど、優しい人なんだろう。
「だから、雄英としてはお前の正義感を買って、未熟な個性を育てる方に賭けることにして合格にしました」
「はい...」
「まだ何かありますか」
急に仕事口調になる相澤先生に、「なにも」と言ってから鼻をかむ。相澤先生は、「じゃあまた春に」と言うと足早に出ていった。
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parumu(プロフ) - だいずさん» ありがとうございます。直しておきます。 (2020年11月9日 21時) (
レス) id: eb2da74267 (このIDを非表示/違反報告)
だいず(プロフ) - みねたの漢字は峰田ではないでしょうか？ (2020年11月9日 20時) (レス) id: 341db306ca (このIDを非表示/違反報告)
parumu(プロフ) - サクラさん» ありがとうございます！ゆっくりにはなりますが更新頑張りますので宜しくお願いします！ (2020年9月21日 19時) (レス) id: eb2da74267 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - 一気読みさせていただきました！続編も楽しみに読ませていただきます！更新頑張ってください！ (2020年9月14日 2時) (レス) id: 99a13ff01b (このIDを非表示/違反報告)
parumu(プロフ) - 鳳＊さん» コメントありがとうございます！わかります・・・岡本信彦さんがやることでもっともっとかっちゃんの良さ出てますよね、、更新頑張ります！これからもよろしくお願いします！ (2020年3月7日 13時) (レス) id: 583168fb08 (このIDを非表示/違反報告)
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