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試験が始まり、皆が一斉に駆け出す。
私も少し遅れて慌てて駆け出した。
試験場の中は、まるで本物の市街地。
徐々に街の中へ進んでいくと、色んな所で戦闘の始まる音がする。
私も早く倒さなきゃ。
まずは敵の位置を把握する必要がある。
私は、街路樹に手を伸ばすと、腕の力で枝に乗る。
(大きくなれ！)
念じながら木の幹に触れれば、ぐんぐんと木が伸びる。
特訓を始めた最初の頃なら、直ぐに目眩がしていた。
だけど、かっちゃんにあれだけ鍛えられ、個性の許容量はかなり上がったと思う。
私は今まで、傷口が治るように、体力が回復するようにと意識して触れてきたけれど、
公園の木に触れたあの日は「もっと成長して欲しい」って気持ちで触れて、木を成長させることが出来た。
私の個性は、治癒すると言うよりは、生気を他に移すことに近い。それは、植物に与えれば成長が促進される。
「あそこ、仮想ヴィランの大群が見える！」
ビルの間に白い仮想ヴィランの大群が見えた。
私は、自分の脹脛と太腿に軽く手を触れる。
(脚力増強！)
同様に、人間に使えば、各パーツの力が増強出来ることが分かった。
足に使えば、いつもより倍くらい早く走れた。
私の何かを嗅ぎつけたヴィランたちは、ウィーンと動いて私の方に方向を変えた。
「こ、こんなにいっぱい...」
まだ、何かを倒すために個性を使ったことの無い私は、ごくりと唾を飲む。
考えろ、考えろ。
辺りを見渡せば、花壇に薔薇の花が植わっているのが目に入る。
「やるしかない！」
そっちに向かって駆け出す私を追いかけるように動き始めるヴィラン達。
私は薔薇のつるに手を触れると、根っこを伸ばすように念じて個性を使う。
地面の中を這うように伸びた根は、コンクリートを突き破ってヴィランたちの足元に絡みついた。
これで半分くらい、動きが停められた。
あとは、
(棘伸びろ！)
念じると同時に少し目眩がする。
個性を使いすぎているらしい。
それもそのはずだった。
私の触れていた薔薇の棘は、ヴィランを四方八方から串刺しにするくらい伸びていて、刺されたヴィランはバチバチっと火花を上げながら動かなくなっている。
「やった…」
初めて倒せた。
多分1番弱いヴィラン、3体程だけど。
かっちゃんや出久くんがやられるのをいつも遠くで見てることしか出来なかった私が。
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parumu(プロフ) - だいずさん» ありがとうございます。直しておきます。 (2020年11月9日 21時) (
レス) id: eb2da74267 (このIDを非表示/違反報告)
だいず(プロフ) - みねたの漢字は峰田ではないでしょうか？ (2020年11月9日 20時) (レス) id: 341db306ca (このIDを非表示/違反報告)
parumu(プロフ) - サクラさん» ありがとうございます！ゆっくりにはなりますが更新頑張りますので宜しくお願いします！ (2020年9月21日 19時) (レス) id: eb2da74267 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - 一気読みさせていただきました！続編も楽しみに読ませていただきます！更新頑張ってください！ (2020年9月14日 2時) (レス) id: 99a13ff01b (このIDを非表示/違反報告)
parumu(プロフ) - 鳳＊さん» コメントありがとうございます！わかります・・・岡本信彦さんがやることでもっともっとかっちゃんの良さ出てますよね、、更新頑張ります！これからもよろしくお願いします！ (2020年3月7日 13時) (レス) id: 583168fb08 (このIDを非表示/違反報告)
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