父vs彼氏。 ページ3
「おばあちゃん、ただいまー」
「あら!おかえりなさいAちゃん」
小鳥遊が玄関の扉を開けると祖母の珠代が笑顔で迎える。そして小鳥遊の後ろにいた二人に気付く。
「まぁ!裕さんよく来たわねーそれに北君も!」
「お久しぶりです。お義母さん」
「お邪魔します」
北は何度か小鳥遊の家に訪れたことがあるため、彼女の祖母とは面識がある。
「Aちゃんが裕さんと北君を連れて来るなんて、結婚のご挨拶でもするのかしら?」
冗談半分で珠代がクスリと笑って言う。
「…」
しかし、裕の表情がピシリと固まり、段々と負のオーラをまとい始め、何だか気まずい雰囲気になる。
「も、もしかして…裕さん、Aちゃんと北君がお付き合いしてるのを知らなかった…とか?」
小声で孫に聞く珠代。
「う、うん…」
図星を突かれ、小鳥遊が答える。
「あらまぁ…。とりあえず、上がってゆっくりして行ってね。今、お茶を入れるから!」
「「はい」」
______________________________________
「…」
「…」
北と小鳥遊。そしてテーブルを挟んで向かいに、裕が座る。
裕がただじっと北と小鳥遊を交互に見つめていて、なかなか話を切り出そうとしない。
小鳥遊を送り届けるだけの筈だった北が、彼女の家に上がることになったのには訳があった。
『彼氏ー!?』
驚きを隠せない父、裕。
『よろしくお願いします』
北が改めて挨拶をする。
『…北君…だったね』
『はい』
『少し…話をしたいんだが、良いかい?』
______という会話があったからなのだ。
そして今に至る。
「ごめんね信介君…急にこんな事になっちゃって…」
コソっと北に言う小鳥遊。部活後で疲れている筈の彼氏に申し訳ないと思っているのだ。
「別にええよ。きちんと挨拶せんとな」
北はふわりと微笑む。
「お茶とお茶菓子をどうぞ」
珠代が優しい声で冷たい麦茶とカステラを持って来る。
「「ありがとうございます」」
「ありがとう。おばあちゃん」
小鳥遊は少し硬かった雰囲気が和らいだ気がした。
「それじゃあ、ごゆっくり」
珠代が居なくなり、また張り詰めた空気になる。
そして裕が口を開く。
「北君とAは、高2の時から付き合ってるそうだね?」
「「はい」」
「北君は、Aのどんな所が好きなんだい?」
「お、お父さん!?」
父の質問に驚く小鳥遊。
そして北は、真っ直ぐ裕の目を見て口を開く。
「Aさんは_______」
944人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みたらし団子 | 作成日時:2017年12月15日 17時