思い出深い文化祭。 ページ12
暑い夏も終わりかけた頃、稲荷崎高校ではある一大イベントが訪れようとしていた。
それは____
「もうすぐ文化祭だよ!A!!」
「そ、そうだね佳奈ちゃん!」
稲荷崎高校文化祭。通称:
「うちのクラスはもう実行委員決めたんやけど、そっちは?」
「まだだよ。多分今日の
「そっか!なんか皆、最後の文化祭だからかソワソワしてんね〜」
3年生にとっては最後の文化祭。そして受験勉強のちょっとした息抜きにもなる。
小鳥遊も楽しみではあったが、何よりも文化祭には思い出深いことがあるのだ。
(去年の文化祭から付き合い始めたんだよね…信介君と)
文化祭は北と小鳥遊が付き合い始めた記念日のようなものだった。
【小鳥遊さんに伝えたい事があるんや】
【辛い思いはさせへん。必ず幸せにしたる。俺と…付き合ってください】
【…っ、はい!】
「ふふっ。あの時の信介君かっこよかったなぁ…」
去年の記憶が蘇り、自然と頬が緩む。
「誰がかっこいいって?」
「!?」
朝練を終えて席に着こうとした北が言う。
ちょうど聞いていたのだろう。頬が赤く染まっていた。
「あ、えーと、これはその、」
まさか聞かれてるとは思わなかった小鳥遊も恥ずかしさのあまり、同じように頬が赤くなる。
「…2人とも顔が林檎みたいやな」
小鳥遊と北が甘い雰囲気を醸し出す中、その様子を見ていた榎本佳奈がジトーっとした目で言う。
「あーあ、私も彼氏が欲しいわ〜」
「佳奈ちゃん結構男子と仲良いし、すぐにいい人と出会えるよ!」
「せやろか…」
キーンコーン…
たわいない話をしているうちに、予鈴が鳴り始める。
「あ、そろそろ戻るわ!実行委員決めたら教えてなー」
「うん!バイバイ」
佳奈が教室から出ていくと、入れ替わりのように担任が入ってくる。
「先生ーうちのクラス稲高祭何やるんですかー?」
クラスの誰かがそう先生に聞く。
「おー今日のLHRで色々決めようと思っとる。実行委員を各クラスから2人出さんといかんから考えといてなー」
「「はーい!」」
「楽しみやな。A」
「うん!」
高校生活最後の文化祭。まさかあんなことが起きるなんて、この時の信介君と私は思いもしなかったんだ__
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作者名:みたらし団子 | 作成日時:2017年12月15日 17時