北さんの彼女。２【ハイキュー!!】 (ページ11)

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俺はアンタには敵わない。ページ11

「今日も疲れたなぁー」

「腹減ったわ～」

「晩飯なんやろ」

午後の練習が終わって、片付けも済ました俺らは部室に向かっていた。

ちょうど俺が部室のドアに手をかけた時、3年の先輩方の楽しそうな会話が聞こえた。

「信介って、いつから小鳥遊さんのことが好きだったん？」

「あ、それ俺も気になるわ！」

「俺も」

「別に聞いてもおもろないで」

「ええやん！はよ教えてや！」

「えらい盛り上がっとるな…」

盗み聞きは良うないと思ったけどつい、耳を澄ましてしまった。

「Aはな___」

小鳥遊先輩のことを話す北さんの声は、いつもより柔らかくて優しい感じがした。

「信介は小鳥遊さんにゾッコンやな～」

赤木さんがからかうように言う。

「そやな…幸せにしたいと思っとる」

「…っ！」

少し開けかけたドアからは真剣な目をした北さんが見えた。

少し、いや凄く、胸の奥が痛む。

分かっとる。分かっとるけど___俺は…

「小鳥遊先輩が好きなんや…」

初めて見たその時から、一目惚れやった。
けど、先輩の隣には北さんがいた。

さっきの北さんのあの強い想いがこもっとる目をみたら_____

心のどこかで奪ったらええと思っとった俺は馬鹿やな…

「俺は北さん(アンタ)には敵わない…」

「何ブツブツ言っとんねん。はよドア開けろや侑」

「分かっとるわ!!」

_____叶わん恋ってホンマに辛いもんやな。