【 明治東亰恋伽】もう一度あなたに恋をする〜泉鏡花〜

19話　記憶 ページ20

その後、下宿先に戻った


貴方「………」


私はさっきから、記憶のことしか考えてない


というか、意味がわからない


明治にいた時の記憶は無いけど、平成の記憶はあるのに


充分帰れるのに…


なのに……


何で迷うの？ここにはまだ来たばかりなのに


何で────────


鏡花「…ねぇ、あんた…さっきから何考えてるの」


貴方「えっ……すみません、ぼーっとしてただけです」


思わず月を見てしまう


まだまだ満ちるには時間があるけど…


鏡花「……これじゃあ、前と同じじゃないか……」


貴方「…鏡花さん？」


鏡花「…いや、何でもない、ほら、もう寝なよ」



さっきまで暗かった表情を変えて


優しく微笑む鏡花さん



貴方「はい、おやすみなさい…」


────────────────────────


私は、夢をみた


夢なのか思い出なのかわからない



でも、何だかすごく心地がいい…



ここどこかな？


…公園？


そこは、池がある


あれは……私かな？


男の人も隣にいるみたい…


誰、だろう


そこの空は暗い、夜だろう


あれ、ななんだろう、男の人の肩に何か…


────────────────


貴方「………あ、まだこんな時間か」


時計を見るとまだ夜中の2時を指している


光が見えると思ったら、鏡花さんがまだ起きていた


貴方「……えっ！？」


寝ぼけてるのかな、私


鏡花さんの肩に生きているうさぎがのっていた

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