気づかなかった、こんなに好きなんて。

彼女、ほしいの？ ページ8

「・・・望、あのさ」

『なにー、』

「えっと・・・、」


わたしが話を切り出しにくそうに
もごもご言っていると、
ベッドに寝転がっていた望は
マンガを置いて、座りなおして
じっとわたしを見た。


いつもわたしが何か言いたげにしていると、
ほかのことをしていても、望はちゃんと
わたしを見て、聞こうとしてくれる。


そういうところ、好きだなあって。
いや、幼馴染としてね、それだけだけど。



「ともだちに、えりちゃんて子がいて。」

『うん。』

「その子、美人で可愛いねんけど、」

『・・・うん？』

「望、どう、かなあ？って・・・」


なんだ、これ。
へたすぎる。

案の定、望は『はぁ？』とでも言いたげに、
朝のような不機嫌な顔になっている。


『なに、どう？って。』

「や、えりちゃんが望のこと気に入っててさ、
　紹介してほしいっていうから？それで、」

『付き合えと？』


わたしの言葉の続きを遮るように望は言った。


「いや別にそこまで言ってないけど、」

『おんなじようなもんやろ』

「・・・まあ、メールくらいしてみてよ。
　じゃないと、なんか言われても嫌やし、」


そう言って、えりちゃんの電話番号や
メールアドレスが書いてあるメモを差し出した。


『・・・ま、可愛いならええけど。』

「、え？」

『可愛いなら、別になんでも。』

「なんでもって・・・」

『別にー、ふつうに彼女ほしいし、』

「、え？望、彼女、ほしいの？」

『高校生やし、普通やろ。
　ま、いつまでたっても男っ気のない
　お前にはまだわからんか、お子ちゃまやし？』

「なにそれっ！！」


いつになく突っかかってくる望に
ムキになるわたし。


『あー、もういいよ、
　俺やることあるし、出てって。
　500円も、今なかったし、今度な。』


はぁぁぁぁ？？？
なに、なんなのこいつ。むかつく。
年下のくせに、ばかにして。

むかつく、むかつく、むかつく。



「おじゃましました！！！！」

なんか、むかつく。→←なんて言おうか。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す