まっすぐな瞳。 ページ36
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用事があるからと先に帰ったまいこを見送って、ゆっくり帰り支度を始めるわたし。気が付けば教室にはもう誰も残っていなくて、いつかみたいに、窓の外に見える部活中の生徒たちの声が遠くに響いていた。
「・・・A?」
「?・・・あ。」
教室のドアの向こうから私を呼ぶ声が聞こえて、ふとそちらに目をやると優人くんが立っていた。
あの日曜日のデート以来、優人くんとの間にも、どこか気まずい空気が流れているように感じてた。…紛れもなく、わたしのせいではあるのだろうけど。
「帰ってなくて、よかった。
…ちょっと話したいなと思ってた。」
優しく、どこか切なそうに笑った優人くんが、わたしの隣にそっと腰を下ろした。
「なんか、ちゃんと話すの久しぶり」
「そう、やね…。」
言ったきり、何も言わなくなって俯いてしまった優人くん。
「あの、優人く、」
「Aさ。小瀧くんのことが好き?」
話し出そうとしたわたしの言葉を遮って、優人くんが唐突に尋ねた。
「な、なんで…?
べつに、ただの幼馴染で…、」
「じゃあ俺は?俺のことは好き?」
「えっ……、」
今わたしの目の前にいるのは、優しくて穏やかな、いつもの優人くんじゃなくて。
「俺は、Aが好きやで。」
「あの、優人くん」
「俺、前からAのこと気になってて、自然に目で追うようになって、少しずつ知って。近づきたいと思ってたけど Aはいつも小瀧くんと一緒におったから。入る隙なんてないと思って諦めてた。けど小瀧くんが最近沢田(えり)と二人でおるの見るようになって…。もしかしたら今がチャンスかもって告白した。お弁当作ってくれたり、一緒に帰ったりデートしたり、いい感じになってきたんちゃうかなとも思ってた。」
「…うん、」
「返事なんて急ぐ気なかったけど
やっぱり聞きたい。」
そう言う優人くんの瞳は真っ直ぐにわたしを見つめていて、これ以上はごまかせない。
わからないじゃ、だめなんだ。
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りんごちゃん(プロフ) - ▼ めぐり。さん うわあ〜♪大好きだなんて///こちらこそ大好きです。ありがとうございます( ^ω^ )移行しましたので、そちらでもよろしくお願いしますね! (2014年5月26日 15時) (レス) id: 3d995db322 (このIDを非表示/違反報告)
めぐり。(プロフ) - 本当に本当に大好きですっ!!!頑張ってください\(//∇//)\応援してます!! (2014年5月25日 19時) (レス) id: 8d9766e09c (このIDを非表示/違反報告)
りんごちゃん(プロフ) - ▼ めぐり。さん ええ〜(゚△゚)!そんなふうに言ってもらえるなんて逆に頭下げます<○>わたしなんて全然ですほんとに><初心者ですし。でもめぐりさんのような方のために頑張ります!!(^-^)/☆ (2014年5月25日 16時) (レス) id: 16c48c6581 (このIDを非表示/違反報告)
めぐり。(プロフ) - うわー!返信きたぁー!!!小説は当たり前ですけど、りんごちゃん大先生ファンになりそうですっ!!2作目も3作目も楽しみにしてますね!! (2014年5月25日 15時) (レス) id: 8d9766e09c (このIDを非表示/違反報告)
りんごちゃん(プロフ) - ▼ めぐり。さん コメントありがとうございます(^.^)♪そんなこと言ってもらったらもう最強にテンション上がります( ´;ω;` )☆ありがとうございます( ´;ω;` )これからもよろしくお願いしますね! (2014年5月25日 8時) (レス) id: 16c48c6581 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんごちゃん | 作成日時:2014年5月1日 18時