気づかなかった、こんなに好きなんて。

初めてのデート。 ページ30

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そうして迎えた日曜日。

妙な緊張感で、身を包んでいるふんわりとした女の子らしいワンピースとは対照的にガチガチなわたし。


お昼の12時頃、「着いたよ」という優人くんからのメールを合図に、わたしは玄関を出る。



「お、おはよう・・・」

小さな声で挨拶すると、少し驚いたような顔をして俯いた優人くん。
彼もまた、私服でいつもと雰囲気が違って、素敵。


「・・・おはよ、」

何故だか目も合わせずに、ぼそっとつぶやくから


「なんか、元気ない・・・？」

そっと顔を覗き込むと、
少し困ったような表情で、



「…可愛いから、びっくりしただけ」

と、照れたように微笑んだ。


「か、可愛い・・・っ！？」


男の子に可愛いなんて言われたのは初めてで、嬉しいけれどくすぐったくて、恥ずかしい。



「うん…雰囲気、変わるな。
　いつも可愛いけど、今日はもっと！」

「や、やめてよ。そんなことない…」


わたしが俯けば、また優しくて爽やかないつもの優人くんが、「行こう」と先を歩き出す。

その背中を追いかけてゆっくり足を踏み出せば、デートの始まり。




「今日、どこ行くの？」

「水族館ー！…好き？」

「うん！好きやで、
　久しぶりや、嬉しい！」


わたしが喜んでみせると、よかった、と優しく微笑む優人くん。


「あ、おなかすいてる？
　先にごはん食べやなあかんな、」

そう聞く優人くんに、少し勇気を出して口を開いた。


「あの…お弁当、つくってきたよ？
　この前、喜んでくれたから…、」

なんだか照れくさくて、自然に小さくなる声と、少しだけ赤く染まる頬。



「ほ、ほんまに！？
　なに、めっちゃ嬉しいねんけど、」

「おいしいか、わからんけど」

「美味いにきまってる！
　てか、気持ちだけで嬉しいのに！」



そう言って弾む優人くんの足取りに、わたしはまた笑顔になった。

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